■親の事情で叔父が経営するシェアハウスに住むことになった女子高生のミーコ。家事に不慣れなうえに、住人はちょっと変わった大人ばかり。しかも一番上の松永さんはちょっと怖いけど……、じつは世話焼きで!?オトナ男子にキュンとなる、ときめきシェアハウスラブ、第1巻!





 岩下慶子先生の新連載になります。「テラスハウス」が話題を集めたのも今は昔、しかしながらシェアハウスを舞台とした作品は今も次々と登場しているという状況でございます。シチュエーション的に恋愛イベントを作りやすいという側面もありますが、なんだかんだ憧れが強いというのもあるのではないでしょうか。完全に個人的な感覚になるのですが、シェアハウスものってなんだかんだ打率高い気がするんですよね。で、本作も例に漏れず。


 物語の主人公は、諸事情により親の経営するシェアハウスに住まうことになった女子高生のミーコ。そのシェアハウスに住んでいるのは、当然ながらみんな歳上の大学生や社会人達。初対面からして伝わってくる、個性派揃いの住人たち。中でも一番気になってしまうのが、一番年上の松永さん。出会って早々に変質者と間違えてしまい、スプレーをぶっかけるという一悶着を起こしてしまうなど、出会いは最悪。なんだかとってもせっかちで怖そうで、けれども誰よりも面倒見が良くて頼りになって……。「怖そうな人」が「頼りがいのある良い人」になり、やがて……というストーリー。





リア充感溢れる同居人たち。高校生のうちは、酔っ払った少し歳上の人たちと過ごす機会なんて殆どないわけですが、この場所ではそれが普通。大学ぐらいで経験するであろう状況を、ちょっと早めに経験出来ている、特別感がまた良い。


 あらすじからも分かる通り、極めてベタでオーソドックスな流れ。ただし社会人同士であれば順調に行きそうなこの関係も、女子高生と社会人という、年齢的にも立場的にも大きな隔たりがある中だと、育つ心も育っていかないものです。同年代達に囲まれた下宿であれば、学園生活ならではのイベントごとによって気持ちが盛り上がったりするものですが、本作の場合は同居人全員が歳上であり、大人。個性派揃いで適度に子供っぽさはありつつも、そこはしっかり「大人」としての線引きがされた存在達です。そんな大人たちに囲まれながら、時に背伸びをして、学校生活とは違う空気感の中で自分の居場所を見出していく楽しさや特別感みたいなものが、直接的に語られずとも伝わってきて良いですね。


 そんなシェアハウス生活で、何かと一緒になることが多いのが、タイトルにもなっている最年長の松永さん。性格は威勢のよい「ガンガンいこうぜ」タイプで、声が大きく、ともすれば年齢とは裏腹に一番子供っぽくも映ったり。そんな大雑把でガサツそうな雰囲気ながら、その職業はデザイナーで、色々と素敵なものを生み出しているというギャップもまた素敵です。シェアハウスの長男と言えば一番しっくりくるでしょうか、実に面倒見が良く、面倒なことにも付き合ってくれるなど、ミーコもついつい頼ってしまうという関係。ミーコは着実にその想いをつのらせていきますが、松永はその気持ちは見えてこず。いや、ちょいちょいドキッとする言葉を発したりするのですが、いかんせん表情変えないのが……!





とにかく真っ直ぐで面倒見がよくて、こんな言葉もサラッと言えてしまう。見た目や言動はちょっと怖いけれど、いい人オーラにあふれています。




 一応同じ家に住んでいるので、あれやこれやハプニングはあるのですが、ラブがコメするようなニヤニヤシチュエーションはそこまで起きていません。なんとなく慌ただしく、また両者ともに恋愛モードになっていないからですかね。これも巻を重ねるごとに、段々と出てくるのではないでしょうか。また脇役たちも、話が進むごとに少しずつ絡んでいくという形。そのためシチュエーションからすると1巻は思いのほかあっさり感が強かったのですが、このあたり含め、巻を重ねて味わいが出てきそう。そのため、とりあえずは「ある程度続いてほしい……!」というのが率直な感想ですかね。



【感想まとめ】
好きなシチュエーションというのもありますが、登場人物みなみないい人たちで、とても読みやすく楽しかったです。オススメ。



作品DATA
■著者:岩下慶子
■出版社:講談社
■レーベル:KCデザート
■掲載誌:デザート
■既刊1巻



ためし読み