■かつて人生を捧げた若手俳優の突然の結婚報道に、元・追っかけの妙齢女子たちが緊急大集合。焦った最年長の千佳子(34)は1年以内に結婚すると宣言。彼女の奥の手は……出会い系!?チケット争奪戦から離脱して、次に向かうは婚活合戦場。どんな手を使ったとしても、“ご用意”してみせましょう、結婚相手!!





 「わたしはあなたの犬になる」などを描かれている都陽子先生の新連載になります。今回のテーマは、婚活。アラサー妙齢の女子4人組が主人公になります。彼女たちは、とある若手俳優の追っかけという共通点があり、彼が売れていない頃から応援をし続けてきたのでした。ところがある日、その若手俳優に結婚報道が!あまりの衝撃に緊急集合した結果出たのは、追っかけという楽しかった時間の終焉と、自分たちもそろそろ動き出すときなのではという、決意。止まっていた時間を取り戻すため、4人はそれぞれに結婚への道を探ることにするのですが……というお話。





代表的なのは婚活サイト。細かい条件まで指定出来る、この様はまるで物件選び。ただ難しいのは、物件と違って向こうもまたこちらを選んでいるということ。




 メインは4人ですが、それぞれ1人ずつにスポットをあてていくため、1巻では3人が主に描かれることになりました。最初に描かれたのは、歳上の2人。最年長の千佳子は34歳で、バリバリ仕事をこなすキャリアウーマンです。彼氏は長年おらず、結婚を意識した相手とお別れしてから新しい人を見つけることが出来ないでいます。2番目に年齢が上なのが、出版社で編集をしている愛子。こちらもバリバリ仕事をこなしている女性で、報われることのない恋愛を人知れず続けている、ちょっと幸の薄そうなキャラです。もう2人は、28歳の小百合と、26歳の舞。やはり30代と20代の間には、婚活難易度において大きな溝があり、手始めに行ってみた婚活パーティでもその現実を目の当たりにすることになるという(一番若い舞が一番人気)。


 3番目に描かれたのは、一番若い舞。彼女は若さに加えて、結構可愛いため、引く手あまた。ただし自ら誰かを好きになったという経験が無く、さらに仕事にも不満を持っているため、恋愛はすっとばして結婚し、専業主婦になりたいという青写真を描いて婚活に臨むのでした。歳上2人とは少し違った考え方・境遇ということで、また一味違った婚活模様というのが描かれていくことでしょう。


 一口に婚活と言っても、そのアプローチは様々で、手近なところから行く手もあれば、お見合いパーティに参加しても良いし、婚活サイトと呼ばれる本気度の高いサイトから、殆ど出会い系みたいな軽めのサイト、街コンに合コン、友達からの紹介だってOK。本作も、色々な手段を用いて、まずは出会いを求めるのでした。と言っても、そう簡単に素敵な人に出会えるわけもありません。パーティでは見向きもされないし、婚活サイトで知り合った人も、いざ実際に会ってみるとプロフィール写真と実物が全く違っていたり、超ハイスペックな男に出会えたと思ったら、既婚者だったりと、その道のりは実に険しく長い。それもそのはず、どこかが出した統計では、35歳独身の女性がその後結婚出来る確率は約20%、40歳ともなるとさらにがくんと落ち込むという数字が。そんな婚活の苦しみみたいなものを、時にシリアスに、時に滑稽に描き出していきます。





物件サイトみたいというところに引いていたのもいつのことやら。現実を知り、段々とテクニカルに。




 歳上二人は共ににダメンズに半ば自覚的に巻き込まれに行った2人という構図で、それでいて「不毛だ。」とか「クソ男。」なんて文句言っている様子を見ると、男からすると「いや、それ男はクソだけど、結構な割合で自業自得じゃね?」という感想が。不思議なもので自分もアラサーど真ん中に差し掛かり、周囲にもこの作品に登場してくるような女性がチラホラといたりするのですが、高確率でクソ男に引っかかって時間を浪費しているのが不思議なところ。ゼロにする勇気が無くて、つなぎのような意識でずるずると付き合っているのだと思いますが、そうしている間にも時間は刻々と流れ、チャンスをガリガリと削られていっているというのが辛い所。私の周りだけでなく、そういう女性はたぶんそれなりの数がいて、たぶんこの作品を読んで身につまされる思いになったりしているのかなぁ、なんて思ったりしました。



【感想まとめ】
婚活ものって、本作に限らず色々と勉強になって面白いですよね。パターンも豊富なので、そういう意味でもお得感がありました。



作品DATA
■著者:都陽子
■出版社:祥伝社
■レーベル:FC Swing
■掲載誌:フィールヤング
■既刊1巻



ためし読み