■キミと出会って、私の青春が始まったんだ
個性もなくて学校で打ち込むこともない夏生。ある日、男子バレー部の監督をやっている兄に、「久世渚を入部させる」までマネージャーをやるように命令される。でも、久世くんは夏生の勧誘を完全無視で……!?まぶしすぎる恋と放課後、はじまります!





 「あたし、キスした。」の満井春香先生の新連載になります。今回も青春キラキラ感満載のお話になっていますね。今回、物語の舞台として描かれるのは主に体育館。そう、部活です。物語の主人公の夏生は、暇を持て余していたところ、教師でバレー部の顧問をしている兄に目をつけられ、マネージャーとして入部させられます。夏生が命ぜられたのは、中学時代に有名選手として鳴らした久世渚を入部させること。一刻も早く、マネージャーを辞めたい夏生は、彼を入部させるべく入部届を持って彼の元に足繁く通うのですが、なんだかいけ好かない態度で余裕たっぷりの彼は、夏生のお願いになど聞く耳持たずな状態。先が思いやられる中、とあることがきっかけでバレー部に入部してくれることになるのですが……というお話。


 久世くんは表紙にも描かれていますが、そのビジュアルからうかがえると通り、仄かにオラオラ感を抱えた気まぐれイケメン。女の子相手にも余裕たっぷりで、夏生にもあれやこれやとちょっかいをかけてはその反応を楽しんでいます。バレーの腕前は確かで、名セッターとして中学時代は県選抜にも選出されていたほど。しかし引退試合に彼のミスが原因で敗退。そのことを気にしているのか、高校ではバレーから背を背けているという状態でした。そんな彼を焚き付けるのが、夏生の純粋さなワケですが、さてさてここからどう恋に発展するのか……といった状況。





マネージャーという役得。一緒にいる時間も自然と増えますし、強豪校になれば合宿だ遠征だと、これでもかとイベントを投入することが可能なわけですよ。




 1巻時点では恋に発展はしていませんが、なんとなくいい感じな状態というところ。夏生は日々に一生懸命すぎて、恋だの愛だのしている余裕などない感じですが、久世くんのことは他に比べて若干特別視している感じがあります。一方の久世くんは、素っ気ない態度ながら、実に分かりやすい形で夏生を気にかけており、完全に特別な存在になりつつあるという感じ。押せばそのまま行きそうな感もありますが、もうちょっとこの状態のまま揺らいでもらいたいものです。


 そんな二人に割って入らんとするのが、これまたバレー部で活躍している桐生くん。気まぐれな久世くんとは対照的に、明るく真面目な好青年という印象です。久世くんとは中学時代のチームメイトで、高校に入っても一緒にバレーをやろうと約束したという仲。夏生にも久世くんにも気をかける優しさを持っているわけですが、そんな性格や背景なども踏まえても、実に噛ませ犬ポイント(謎のポイント)の高いイケメンですね。今後次第ですが、ここ最近目立った噛ませ犬が登場していない感があるので、彼には期待したい、噛ませ犬好きとして。


 「あたし、キスした。」はキスをテーマにした作品だったこともあり、結構ボディタッチだとか、”いかにも”な描写が多かったのですが、本作も久世くんがそういったキャラだからか、ハグだったりキス未遂だったり壁ドンだったりと、ご褒美的ドキドキ描写が満載。





こういうの。別に後ろから回り込まなくても大丈夫だったりするんですが、敢えてのこれ。




 その手の作品ってあからさまな感じがして個人的にあまり得意でないのですが、満井春香先生の作品はその中にもどこか品があると言いますか、読んでいてもあまり気にならないから不思議なんですよね。絶妙なバランスで成り立っているのか、その源泉は未だ分からず。ただ面白い。前作も良かったのですが、オムニバスから長期連載に変わったことで物語的な強度が増し、一層面白味が出てくるんじゃないかと思ってます。キラッキラの恋愛全振りな少女漫画がお好きな方、是非ともチェックを。



【感想まとめ】
単行本2シリーズ目で早くも満井春香先生っぽさを感じつつ、楽しむことができました。オススメです。



作品DATA
■著者:満井春香
■出版社:講談社
■レーベル:KCデザート
■掲載誌:デザート
■既刊1巻



ためし読み