■心臓が胸を破りそうなくらい、どきどきしてる。
勉強が苦手だけど楽しい高校生活を送っていた鈴森あさひ。ある日火事で住む場所を失ってしまい、エリート専用寮「蛍雪館」でこっそり暮らすことに!そこで出会った謎の男の子・高木夜風と関わりだして……!?





 「青春しょんぼりクラブ」や「星上くんはどうかしている」のデザートでの新連載になります。今回もアサダニッキ先生らしい、ちょっとぶっ飛んだ設定で回す楽しいラブコメになってますよ!というわけで、あらすじをご紹介しましょう。


 主人公・あさひが通うのは、勉強至上主義のエリート高校と、学園生活エンジョイ勢が大半のゆるふわ高校がまさかの合併をして生まれた学校で、成績優秀な特進科と、勉強の出来ない普通科の学力格差がものすごいという特殊なところ。互いの仲は最悪で、いつも相手を目の敵にしているのでした。勉強が苦手なあさひはもちろん普通科で、のほほんと学生生活を送っていました。そんな彼女に突然大きな変化が起こります。それまで住んでいたオンボロ寮が火事で閉鎖。学生アパートを探すも、家賃の高さに選びあぐねていると、特進科の3年生に「空き部屋を紹介する」と声をかけられます。ホイホイついっていった先は、なんと特進科の成績優秀者しか入ることの出来ない「蛍雪館」。蛍雪館の寮監をしているという彼のきまぐれにより、特進生と身分を偽り寮生活をはじめるのですが……というお話。





シャツとベストの色が違うので、寮に帰る時はちゃんと着替えて変装します。門限を破ってもアウト、身分がバレてもアウト、そして恋愛をしてもアウト……。その道のりは実に厳しい。




 恋の相手は寮監……ではありません。同じ寮に住むイケメン男子の高木夜風。何故か夜な夜な寮を抜け出している彼が、寮に入れずに困っているところをあさひが助けたことから、二人は急接近。ストイックながら優しく、どこか他の特進生と違う夜風くんに、あさひもいつしか心惹かれていきます。最初こそあさひは特進生として振る舞っていましたが、とある拍子に彼に普通科の生徒だということもバレてしまい、二人はヒミツを共有することに。同じ学校と言えど、特進科と普通科は別の学校に通っているようなもの。顔を合わせることが出来るのはせいぜい寮の中でだけ。けれども素性を知られてはいけないし、恋をしたら即退寮と、尻尾振って寮内を動き回るわけにはいきません。けれどそんな障害があった方が気持ちは盛り上がるもの。夜風くんの気持ちはさておき、あさひはそんな環境下で恋心を加速させていくのでした。





 あさひは勉強が苦手ですが、明るく単純な性格で、見ていて危なっかしくも可愛らしいです。感情がめちゃくちゃ表に出やすいから、わかりやすい。自分を「バカ」だと卑下するところがあり、それがひとつのコンプレックスにもなっているようです。そのため頭の良い人に言いくるめられてしまう傾向が見られたり。一方で情に厚く、絵に描いたようないい人という感じ。一方の夜風くんは剣道に励む文武両道の実直な若者で。不器用ながらもこれまたいい人という印象。真逆なタイプゆえに、互いに補い合えそうなバランス感です。




 「星上くんはどうかしている」は八方美人な自分からの脱却という頑張りを経て、恋を掴んだわけですが、今回ははどのようにしてヒロインが頑張るのか楽しみですね。シチュエーション的には、バカなところはそのままで、むしろそれを逆手に取って強みを見出していくみたいな感じでしょうか。これもまた承認に伴うコンプレックスの克服であり、実に少女漫画らしくて良し。さて実際はどうなることやら。まだまだ始まったばかりで、制約が多い中ドキドキなイベントがたくさん投入されてくるはず。続きが今から楽しみです。



【感想まとめ】
この作品も結構ありえないシチュエーションなはずなのですが、同じアサダニッキ先生の作品で「王子が私をあきらめない」があまりにぶっ飛びすぎているから、むしろこっちは「あ、普通な感じで来てるじゃん」と錯覚することに。ドキドキのツボはしっかりおさえた良ラブコメです。オススメ。



作品DATA
■著者:アサダニッキ
■出版社:講談社
■レーベル:KCデザート
■掲載誌:デザート
■既刊1巻



ためし読み