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女性向けマンガのレビューとか

少女マンガにも”奉仕部”が登場です -ひろちひろ「瞬間グラデーション」


■高校入学から1ヶ月とちょっと。姿乃芙は同じクラスの美術部員・御徒町に初めて話しかけたのだが、冷たい対応をされ、腹を立てる。しかし翌日、保健室で御徒町の意外な秘密を知ったことで、二人は……!?





 「年下の男の子」を描かれていたひろちひろ先生の新連載です。花の女子高生……ではあるけれど、何をやっても長続きせず、これといって打ち込んでいるものも、また打ち込みたいものもない姿乃芙。ある日クラスメイトで美術部の御徒町の絵を見て、その上手さに「写真みたい」と言ったところ、思わぬ冷たい反応が。第一印象は最悪。けれど、後日保健室で、彼の足にペディキュアが塗られていることを知り、その落とし方を教えたことで、話をするように。気難しいヤツかと思いきや、なんでも姿乃芙の立場に立って真面目に考えてくれる彼の言葉によって、退屈だったそれまでの毎日はキラキラと輝いて……というお話。



それまでの生活と全く同じ日々だって、ちょっと視点を変えればかけがえ無く面白い日々に変わる……。そんな気づきを与えてくれる男子との出会いによって、毎日が楽しくなるというお話です。


 ヒロインの姿乃芙は実に平凡な女の子で、これといって打ち込んできたものも無く、楽しい出来事を探しつつも、心の何処かで諦めているという、潜在的に自己評価の高くないキャラクターと言えるかもしれません。一方の御徒町は、なかなかのイケメンながら、メガネで顔が隠れていたり、クラスメイトともそこまで絡んでおらず、また美術部というところも相まって、クラスでも地味な存在。コミュ障というわけでは無いのですが、ちょっと独特のリズムの持ち主です。


 そんな二人を中心に据えて、なんとなく放課後お話をしながら進んでいくのかと思いきや、さすがにそれだけではネタが途切れてしまう。ということで投入されるのが、新キャラと部活動。新キャラは、冷静で大人しい印象の御徒町くんとは対照的な男の子で、明るくアホチャラそうな男子・伊吹。笑顔が素敵な姿乃芙に興味を持った伊吹は、出会って以降積極的に彼女に話しかけてくるようになります。そしてそんな彼を交えて提示されるのが、「奉仕部」という新部活。


 この”奉仕部”というのが興味深い。知っている人は知っていると思うのですが、連想するのは人気ラノベ「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」のアレ。というか、その作品以外で見たこと無いのですが、他の作品に出てきたり、実在したりするものなのでしょうか。ボランティア部とは異なり、活動対象は学内向けという印象があるのですが、確かに物語を転がすにはこれ以上無いフォーマットなんですよね。こうして他の作品にまで影響を与えてしまう「俺ガイル」の凄さを、思わぬ所で見せつけられたのでした。ちなみに男女比だとか、白衣の先生によって奉仕部の提案をされるあたりまで似ているのですが、そこはあまり言及しないでおきましょう。



リア充感漂う奉仕部。


 あちらの暗さとかシリアスさに比べると、こちらは圧倒的にリア充感溢れる明るい部活という印象。フォーマットこそ同じですが、そこで展開される物語は全くもって異なると断言出来ます。部活という閉じた範囲で、実にわかりやすい三角関係が形成され、相手役候補は陰と陽と対照的で、極めて明快なシチュエーションとなっており読み手としては実に安心して楽しむことが出来る状況。1巻はまだまだ恋も動き出していませんが、これだけ場が整っていたら、2巻確実に動いてきそうで、期待感は高まりますね。



【感想まとめ】
オーソドックスな少女マンガで、これといったクセもなく、前作同様実に読みやすい作品でした。



作品DATA
■著者:ひろちひろ
■出版社:集英社
■レーベル:マーガレットコミックス
■掲載誌:マーガレット
■既刊1巻



ためし読み

1 Comment

  1. 「年下の男子」ではなく「年下の男の子」ですよっ!

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