■中学2年生の2学期。英二と直彦の学校に転校生がやってきた。それは、英二が小学校の時に仲良しだった泉。3人で過ごすうちに新たな関係が芽生え……。そして時が経ち、英二たちは高校生になり……。初めての感情が溢れ出す、第1巻。





 「虹色デイズ」の水野美波先生の新連載です。巻数表記を見ると、虹色デイズは”以下続刊”となっているのですが、15巻完結じゃなかったでしたっけ?ともあれ連載の軸は、こちらに移るようです。表紙から見ても分かる通り、今回も男子視点たっぷりで送る、学園恋愛青春ものとなっています。


 物語の主人公は2人。明るくうるさく惚れっぽい・英二と、落ち着いた佇まいでかなりの歳上に見える直彦。中学入学の時に隣の席になったことがきっかけで、以来ずっと仲良し。そんなある日、転校生の美少女・泉がやってくるのですが、英二と小学校時代に仲が良かったという繋がりで、3人で過ごすように。やがて泉に恋をした直彦は、日々積もる気持ちを抑えきれずに思わず告白。玉砕覚悟だったものの、結果は意外にもOK。しかし間もなく、泉は再び転校してしまい、さらに皆は高校生になり……というストーリー。


 駆け足で説明してしまいましたが、ここ(中学時代)までが前段というところで、物語の舞台は高校へと移って本格的に動き出します。泉と遠距離恋愛中の直彦は、月一回会えるかどうかというのが目下の悩み。そして身長が伸びた英二は、中学時代よりも俄然モテるようになったものの、なんだか恋愛というモードになれずにモヤモヤ……。キラキラ輝いているはずの高校生活は、二人ともなんだか曇り空という感じ。そんな中、英二は同じ図書委員会でツンツン女子の池澤さんと最近なんだかよく一緒に。一方の直彦は、俺様な彼氏に振り回される女の子・藤村と仲良くなり…と、高校生活ならではの新しい人間関係を築き始めていきます。





 要するに、なんとなく気持ちの煮え切らない男の子2人が、中学からの人間関係と、高校という新たに形成されていく人間関係のと狭間で、心揺らしながら恋だの愛だのするというお話。この「煮え切らない」(作者さん曰く「モニョモニョ」)というのがポイントで、明るいキャラクターたちがリア充オーラを漂わせながら掛け合い、一見順調そうに見せながらも、切ない方向に行くんだろうなという雰囲気があからさまにしているという。


正直1巻時点で何か大きなイベントがあるかというと特に何もないんですけど、それでも「あ、これは絶対に自分好きなやつだ。好きな感じになるやつだ。」という確信めいた思いがあります。



水野美波作品に登場する男子はみな可愛いですが、女子たちはもっと可愛い。中でもお気に入りなのが、ツンツン図書委員の池澤さん。これも、「お礼」として。律儀な性格が素敵可愛いです。

 メインキャラクターは、主人公の2人に加え、泉に、高校で登場した女子2人、それと仲良しの男の子1人の6人という感じでしょうか。6角関係というわけでもなく、それぞれが緩やかに横につながっている感じで、物語が進むと共に互いが邂逅する時も訪れるのでしょう。物語は英二と直彦のクロス視点で進んでいきます。その辺りも「虹色デイズ」のフォーマットを踏襲しており、水野先生の得意な形。同じ多視点進行ということでは「思い、思われ、ふり、ふられ」なんかもそうなのですが、あちらが陽だとすると、こちらは陰という感じですかねー。明らかにキャラクターはこちらの方が陽なはずなんですが。



【感想まとめ】
割りと好き嫌いも分かれそうですが、個人的にはここ最近の新連載の中で一番期待感が大きい作品かも。明るさと切なさを絶妙なバランスで配しながら、ニヤらせ唸らせさせてくれるんじゃないかと、今から続きが楽しみで仕方ありません。



作品DATA
■著者:水野美波
■出版社:集英社
■レーベル:マーガレットコミックス
■掲載誌:別冊マーガレット
■既刊1巻



ためし読み