■「先輩、俺の食糧になってください」
日和に告白してきた影山の正体は、吸血鬼!!食糧管理と称し、淡々とした表情で過保護に付き纏う。翻弄されつつも逃げる日和。一方、影山は血を吸うため日和に自分を好きにならせようとするが…!?捕食ラブコメディ開幕!





 「ラストゲーム」の天乃忍先生の新連載です。あらまし紹介からもわかるように、花とゆめ系では定番の、吸血鬼ものでございます。ひょんなことから吸血鬼であることを知ってしまい……みたいな感じじゃないです。自己申告です。出会いこそ保健室で”ひょんなことから”なのですが、幼児体型で健康で化粧っ気もないヒロイン・日和は、吸血鬼からしたら格好のごちそう。そんな彼女に目をつけた吸血鬼の影山くんが、自ら正体を明かして「俺の食糧になってください」と告白をされて以来、つきまとわれるように。断っても断ってもめげない彼の勢いに日和は、、、という、巻き込まれ・振り回され系のラブコメディです。



出会って一秒で告白。


 主人公の日和は、高校生ながら未だに小学生に間違われるその容姿が悩み。ロリっていうか、もうただただ子供みたいな感じです。もちろん憧れの男子がいたりするものの、その容姿ゆえにあくまで「憧れ」。恋愛の甘さも酸っぱさも、まだ知りません。そんな彼女に目をつけた影山くんは、吸血鬼らしく日光が苦手で、人間の血に興味がある男の子。吸血鬼も人間社会にしっかり溶け込んでいるわけですが、彼は自ら吸血鬼であることを明かしたり、なんだか普通の人間からはズレた行動を取ったりと、ちょっと…いや、だいぶ変な生徒という感じです。どうやら吸血鬼としては弱い子らしく、家族からは色々と気にかけられているご様子。


 構図としては、何度拒まれようととにかくめげずにアプローチをしてくる影山くんに、日和が巻き込まれ振り回されるという感じ。なんだかんだ押しに弱く、優しい心の持ち主である日和は、影山くんと多くの時間を過ごすうちに少しずつ彼のことを理解し始め、頑なだった態度は段々と軟化していきます。一方の影山くんも、人間に対してここまで真剣に向き合うのは初めて。ズレまくりの行動ばかりですが、相手を理解するごとに徐々にその行動にも改善が見られます。互いが理解しあいながら、少しずつ距離を縮めていく様子を、コメディタッチで描いていきます。



人間との関わりが少なかったこと、また吸血鬼の中でも比較的弱かったこともあり、きちんと誰かと向き合うのはこれがはじめて。そんな彼の気持ちを汲んだり汲まなかったりしつつ、距離を縮めていきます。


 のっけから告白で始まるものの、1巻時点では恋愛色というかドキドキ感はあまり無く、本格的に恋愛ものとして動くにはもうちょっと時間がかかりそう。そういえば前作「ラストゲーム」も九条さんが恋愛感情を抱くまで非常に時間を要したわけですが、そう考えるとこのペースも天乃忍先生からすると平常運行という感じなのかもしれません。なお前作は柳という、単独でわちゃわちゃして見飽きることがないという稀有なキャラクターが居たわけですが、本作の影山くんは今のところそこまでの魅力があるかというと、ちょっと疑問符が。日和との掛け合い含め、そこはこれからに期待というところでしょうか。



【感想まとめ】
どうしても「ラストゲーム」と比較してしまうところがあり、その期待感からすると、思いの外ふつうという印象でした。とはいえしっかりと花ゆめ系のツボをおさえた吸血鬼ものということで、長期連載して面白さが増していくのかなという期待感もあります。



作品DATA
■著者:天乃忍
■出版社:白泉社
■レーベル:花とゆめコミックス
■掲載誌:LaLa
■既刊1巻



ためし読み