■「紹介しようか?仕事」 バイトの面接に落ちまくっていた葉南は、同級生のイケメン・奏汰くんの誘いで、彼の兄・庵人が店長を務めるカフェ「メ・フレール」で働くことに。ところが2人とも性格に難ありで、葉南のバイト生活は波乱がいっぱい。でも、兄弟の素顔を知っていくうちに葉南は彼らの力になりたいと思いはじめて……?





 中河友里先生の新連載です。バイト先のカフェを舞台にしたラブコメディ。主人公の葉南は、小遣いストップの危機に直面し、自らお小遣いを稼がねばとバイトの面接を受けるも、尽く落ちまくる日々。そんなある日、彼女に声をかけてきたのは、同じ学校の特進クラスのイケメン・奏汰くん。彼の兄・庵人が経営しているというカフェでお世話になることに。バイトも出来て、イケメンと知り合いにもなれてラッキーなんて思ったものの、庵人はとにかく葉南に厳しいパワハラ店長で、奏汰くんは奏汰くんで自分中心の冷たい性格と、二人共性格に難ありのとんでもないバイト先で……というお話。



弟の奏汰はとにかく優しい振る舞いでいてどこまでも自己中心的。言ってることは無茶苦茶でも、そのルックスと甘い雰囲気で許せてしまうから恐ろしい。


 主人公の葉南は絵に描いたようなおバカさんという感じで、バイトに落ちまくっているのも、履歴書の写真がプリクラだったり、月2回しか入れないと言ったり、来月からしか来れないと言ったり、落とされるのも当たり前というような言動ゆえ。そんな彼女でしたが、激烈厳しい店長・庵人の暴言にもめげずに、カフェでバイトをすることを決意したのは、奏汰くんに「君だと思ったから」と言われたから。アホゆえに、一度信じて調子に乗ったらそこに向かって一直線な性格。失敗ばかりの毎日で、やめようやめようと思いながらも、いつしかその場所の魅力に気づき、結局バイトを続けることにするのでした。


 従業員は、店長・庵人とその弟・奏汰くんとの3人だけ。庵人は店長と言いながらも、20歳という若さで、おじさんではなく口うるさいお兄さんという感じです。とにかく仕事に対して真面目で、チャラチャラした葉南のような性格の女の子は大嫌い。一方の奏汰くんは、庵人とは異なりソフトタッチの優しいイケメンですが、とにかく自分が楽できればOKという性格で、その振る舞いとは裏腹に、かなり腹黒い性格であることが垣間見えます。相手役候補はこの2人なのですが、1巻時点ではバイトバイトで、惚れっぽい葉南の性格を差し引くと、これといって恋は動き出していないという状況です。



やる気があっても仕事が出来るようになるわけではなく、失敗ばかり。ドジっ子らしい可愛さも無く、庵人がキレるのもわからなくはないです。それでもめげずに葉南はバイトに明け暮れます。


 表紙の描かれ方からも、二人とも相手本線になる可能性があり、1巻時点での描かれ方は完全にフラット。大抵こういう場合は距離が近いほうが勝つという印象なのですが、奏汰くんと葉南は特進クラスと普通クラスとで分かれており、学校で関わることは殆どなく、ゆえに奏汰くんが有利であるとは決して言えません。むしろその性格の真っ直ぐさであったり、カフェに対する真剣さがストレートに表現されている庵人の方が、相手役としては魅力的に映るのですが、果たして。なお葉南はようやく仕事が出来るようになりましたが、序盤は完全に仕事が出来ず、そしてそれを省みようともしない典型的意識低いヤツで、個人的には苦手なタイプのヒロインでございました(後半ようやっと苦手意識持たずに読めるようになった)。



【感想まとめ】
少ない登場人物で、閉じられた場所で展開する、オーソドックスなラブコメディ。別冊マーガレットとしてはかなり恋愛に振った感のある作品で、恋愛中心で楽しみたい方にオススメです。本誌では既に最終回を迎えているようですが。



作品DATA
■著者:中河有利
■出版社:集英社
■レーベル:マーガレットコミックス
■掲載誌:別冊マーガレット
■既刊1巻



ためし読み