■高校1年生になったさくら。学校までの坂道を自転車で登っていると、とても爽やかで優しそうな先生が追い抜いていった。さくらはその先生の姿がどうしても忘れられなくて……。桜舞う坂道で恋をした。先生に片想いラブストーリー、第1巻。





 蒼井まもる先生の新連載です。つい最近、2巻が発売されました。タイトルからも分かる通り、生徒と教師という少女マンガの王道ものです。あらましは冒頭の通り。入学早々に学校手前の坂道で目にした先生が強烈に印象に残り、以来その先生を探すようになります。やがてその人は、簿記の藤春先生だとわかり、気づけば授業は人一倍熱心に受けるように。先生と生徒の交わす他愛のない話も嬉しかったり、一挙手一投足を目で追っているように。憧れと恋心の入り混じった、青春の香り立つ想いを、先生に対して抱くようになるのですが……というお話。



自分だけでなく、相手も自分のことを覚えていてくれたことで、その憧れの気持ちは一層ハッキリと好意へと形を変えていく。


 ヒロインのさくらは、ごく普通の女の子という感じ。身長が小さく、どこか気も弱いのですが、陸上部で中距離をやるなど、意外とアクティブな一面が。ここまでの説明だけだと一目惚れの類いのように思われるかもしれませんが、先生もまたさくらの姿を覚えていて、「桜満開の中、一生懸命坂を登る子の名前がさくらというのが強烈で覚えていた」という言葉にドキン。先生からしたら何気ない一言かもしれませんが、仄かな憧れを抱いている生徒からしたら、それだけでもう心掴まれてしまいます。


 先生こと藤春啓介は、簿記を担当する26歳。パーマなのかくせ毛なのか、ふわふわの髪の毛が可愛らしい男性です。物腰も非常に柔らかで、中でも特徴的なのが、生徒に対して丁寧語で話すこと。これが余計に誠実さだとか真面目さみたいなものが強調されて、良い印象を与えます。そのため生徒たちからも慕われており、それを知ってか知らずか、丁寧語を話しつつも生徒との距離が近いなぁという。担任でも無いので、さくらとの接点は朝の自転車か授業だけ。その数少ない機会を、さくらは心待ちにするわけです。かわいい。



丁寧語なのに、こういう頭ナデナデとかはしちゃうっていう。誰にもこういうことしちゃうというよりは、さくらの好意が透けて見える分、こういう行動が出来ているという面はあるのかもしれません。


 簿記が授業にあるってことは、舞台は商業科なんですかね。脇を固めるのは、仲の良いクラスメイト達。明るい女の子の二宮さんは誰かに話しかけることが少しだけ苦手なさくらをナビゲートしてくれるような役割をつとめてくれます。そして野球部の瀬戸くんは、さくらに恋心を抱く純情少年。野球部らしく実直ながら不器用な雰囲気がビンビンで、好きだという想いは抱きつつも、具体的な行動には移れていないという感じです。良き噛ませ犬の素質、あると思います。


 1巻時点ではさくらの恋心をしっかりと形にしたという感じで、先生と具体的にあーなったりこーなったりみたいなことは全くありません。ここまでの印象は完全に「片想い」。もちろん特別を感じるような瞬間はあったりするのですが、それが男として出ているというよりは、教師ゆえの行動という雰囲気で、ここから成就するような流れになるのかなという思いが少しばかりあります。レーベル的に成就しないこと無いと思うのですが、このままピュアに想い続けて想い敗れるってパターンもそれはそれで画になりそうなヒロインなので、1%ぐらいはそういった展開も期待してみたいと思います(さすがにないか)。



【感想まとめ】
ピュアっぷりが凄い純正少女マンガ。それゆえに好きな作品ですね。オススメです。



作品DATA
■著者:蒼井まもる
■出版社:講談社
■レーベル:KC 別フレ
■掲載誌:別冊フレンド
■既刊1巻



ためし読み