■平凡な男子高校生・高橋。恋した音鐘さんが男子を苦手と知り、なぜかオネエ修行をすることに!音鐘の友人でもあるオネエ・相良虎之輔に弟子入りするが、彼は美意識が高く……!?男子高校生のゆるっとオネエ修行コメディー!!





 「BEAR BEAR」「水玉ハニーボーイ」の池ジュン子先生による、オネエ男子修行学園コメディです(なんじゃそら)。物語の主人公は、ちょっと男らしさの足りないごくごく普通の男子・高橋。同じ学校の美少女・音鐘さんに恋心を抱き、いざ告白しようと呼び出すものの、友達経由で振られてしまいます。どうやら男の子が苦手とのこと。そんな中、音鐘さんと和気あいあいと話している男子がいるではありませんか!その男子・相良はオネエ。それこそが音鐘さんと仲良くなれる道であるとひらめいた高橋は、相良に弟子入り志願し、オネエ男子としての修行をはじめるのでした……というお話。


 オネエ男子の話ではなく、「オネエ男子化の道」を描くというなんとも変わり種の作品。正直修行に向かわせる過程もめちゃめちゃ強引な感があるのですが、そこはキャラクター重視のユルいコメディということで気にしちゃいけません。そもそも下心でオネエ男子になるって、捉えようによっては結構失礼な気もするのですが、なんかいじりがいがありそうということで、難なく弟子入りに成功。しかし元来ガサツな性格の彼が、そう簡単にオネエになれるわけでもなく、その過程は失敗と爆笑の嵐……といった感じの、4コマ風作品です。



主人公・高橋。見ての通り、バカで残念な子。


 オネエ修行といって何をするかというと、まずは部屋をオネエ風にしてみたり、女子向けのファッション誌を見て研究してみたりとか、お菓子作りをしてみたり、実際にスイーツを食べにいってみたりとか、メイクやオシャレをしてみたりとか、そのメニューは多種多様。もちろん普段の言葉遣いや、立ち居振る舞いからしっかり直す必要があります。


 主人公の高橋は、こんな謎のオネエ修行をしてしまうぐらいにおバカな子。なんとなく可愛いようにも見えるのですが、相良曰く「普通。モブ感。」という容姿レベルらしいです。身長も高くないため、男としてこれといった強みが無いのが辛いところ。なんとも愛すべきキャラクターなんですけどね。そんな高橋を指導するのが、オネエ男子の相良。思ったことをズバっと口に出す毒舌っぷりが気持ちのよいキャラクターで、一般的に想像するオネエのスタンダードという感じ。なお男好きという感じは無く(そもそも恋愛云々のにおいがしない)、また日常的に女装するようなこともなく、オネエ言葉を操る小奇麗な男子という印象。



メインはこの2人なのですが、さらに2人の男子が脇を固めます。高橋がいつも一緒に過ごしている、世良と大和。世良は160センチ程度しか身長が無く、その見た目もめちゃめちゃフェミニンで、隣にいる女子が自信をなくしてしまうぐらい可愛いです。もう一人の大和も世良に負けず劣らず容姿に恵まれた男の子で、その不幸そうな佇まいが女子達の心を狂わせ、知り合いの女子は母親以外ストーカー化したという、恐るべき魅力の持ち主です。容姿もキャラクターも完全に高橋に勝っているため、余計に高橋が霞むという悪循環。


 「水玉ハニーボーイ」でもオネエ男子を描いているように、このネタそのものは池ジュン子先生はお手の物。かなりユルい作品で、特筆して正直これを池ジュン子先生がやるほどなのかと思わなくもないのですが、最後はしっかり関係に進展を持たせているなど、単なる4コマではなく、きちんとラブコメ的に仕上げているあたりはさすがと言わざるを得ません。



【感想まとめ】
序盤の強引さやキャラクターの濃さなどから置いていかれがちになったのですが、なんだかんだ最後しっかり軌道に乗せてきて、きちんと楽しませてもらっていました。気楽に読める良コメディです。



作品DATA
■著者:池ジュン子
■出版社:白泉社
■レーベル:花とゆめコミックススペシャル
■掲載誌:LaLaDX、マンガpark
■既刊1巻



ためし読み