■勉強もスポーツもできてその上クールビューティな蘭は、周りの男の子から”高嶺の花”と呼ばれ、距離を置かれています。だけど同じクラスのお花屋の息子・晃だけは、普通に明るく接してくれて……!?





 「カンナとでっち」の餡蜜先生の新連載になります。前回は大工見習いの男の子が相手役でしたが、今回はお花屋の息子と、連続して職業系ですね。学生メインの別フレにおいては一つの特色になると思いますので、是非ともこの路線で進んで貰いたいところです。では内容の方をご紹介しましょう。


 主人公は表紙にもバシッと描かれ、タイトルにもなっているように、”蘭”という女の子です。黒髪ロングヘアーがとても似合う、勉強が出来てスポーツも出来る完璧女子。さぞ男子にモテるだろうと思いきや、その完璧っぷりに男子達は「好き」というよりも「憧れ」の眼差しで見るため、浮いた話は一切ありません。蘭は少なからずそのことを気にしていたのですが、そんな彼女に他の子と同じように優しく接してくれるのが、同じクラスの男の子・晃と仲良くなったことで、彼女の毎日は変わり始めます。ある日、花好きの彼女がお花屋さんに行くと、そこには晃の姿が。花屋の息子であるということを知り、さらに距離が近くなった二人は……というお話。



私服姿。お嬢様感ある格好です。学校の制服も、しっかりスカートは膝丈の長さを保っています。この奥手感のある雰囲気とか、勉強できる感じとか、好きですねぇ。


 晃が花屋の息子であるというのは、晃自身はあまり公にしたくないらしく、偶然知ってしまった蘭とは、ちょっとした秘密を共有するような関係になります。公にしたくないのは単にいじられるのがイヤだからというだけで、別に花が嫌いというわけではなく、むしろ花は好き。一方の蘭も、園芸部にたった一人所属しており、植物を愛でる心を持っています。そんな共通点を持ち合わせているからこそ、仲良くもなりやすいのではないでしょうか。


 お互いにかなり素直で、相手を変に特別視したりするようなタイプでないのも良いところ。自分の弱いところも本心も簡単にさらけ出すし、好意だってそのまま素直に表出してきます。人によっては「こんなん告白してるようなもんじゃん」とか「いやもう付き合っちゃえばいいじゃん」みたいな感じになるシーンすらあるのですが、互いに恋愛的に多少は意識しつつも、「付き合う・付き合わない」みたいな発想になっていきません。あくまで人間的好意を積み重ねていっているような印象。もちろんこれから恋愛感情としての好意が積み重なっていくのでしょうが、1巻時点ではそのあからさまなシチュエーションの割に、恋愛を強く意識させる雰囲気は多くなく、不思議なバランス感のある作品だなぁという感想。



花を軸にしたエピソードが多いです。相手役の晃は花屋の息子ということもあり、高校生にしては珍しく花を愛でることが出来る心優しい男の子です。


 高嶺の花系ヒロインというのは定期的に登場するわけですが、「日々蝶々」であるとか、「ふしぎの国の有栖川さん」など人気連載がそこそこある、手堅い設定と言う印象があります。そこまでヒロインに行動力があるわけではないので、相手役の特徴が作品の特徴に直結していくイメージがあるのですが、本作のお花屋さん系男子というのはなかなか新鮮。実にマイルドで優しい男の子で、ややクールなヒロインとの対比がよく出る素敵な男子ですね。それでいて結構あざといからきちんとドキドキも提供するという。意識しだしたら途端に変貌しそうなヒロインも相まって、続きが楽しみですね。オススメです。



【感想まとめ】
餡蜜先生の新連載ということで楽しみだったのですが、前作とはテイストも大きく変えつつもしっかり楽しませる作品にしており、期待に違わぬ満足感でございました。



作品DATA
■著者:餡蜜
■出版社:講談社
■レーベル:KC別フレ
■掲載誌:別冊フレンド
■既刊1巻



ためし読み