■月島夢(みらい)。高校1年生。再婚した母が新しい父親を選んで家を出ていったため、ひとり暮らし中。母に捨てられたという思いが強く、高校では人間関係を避けて積極的にぼっちライフを送っていました。そんな高校にはアイドル的人気の男子4人組が。そのひとりがある日突然!?





 星谷かおり先生の新連載になります。物語の主人公は高校1年生になったばかりの月島夢(みらい)。母が再婚を機に夢と離れて暮らしたことに心痛めた彼女は、「最初から誰とも仲良くならなければ傷つくこともない」と、意識的に他人を避けた学校生活を送っていました。そんなある日、学校の人気者であるイケメン4人組の一人・真芝くんから、「天文部入らねえ?」と誘われます。信念に従い断るも、無理やり部室に連れて行かれたり、その後も何かと夢に話しかけては誘ってくる真芝くんの熱に折れ、天文部に入部することに……というお話。



ヒロイン・夢。他人を遠ざけてはいるが、根っからの人嫌いというわけではなく、傷ついた過去(現在も)からの自衛によるもの。実は人一倍、人恋しい、寂しい女の子です。


 天文部はイケメン4人組しか所属していないという、実質的に部活の私物化に近いような状況。人気者が所属する部活ならさぞミーハーな女子が居るはずだろうと思うのですが、部活内での色恋沙汰が迷惑だと感じる真芝くんがそういった女子を尽く排除したおかげで、女子部員は誰一人いません。部活として成立するのは5人からなので、あと一人入れないといけないのですが、そこで白羽の矢が立ったのがヒロインの夢というわけ。他人と深く関わろうとしないところも、それまでの経緯からすると好都合だというわけです。ちなみに天文に興味があるのは真芝くんだけで、残りの3人はそれにただおつきあいしているというだけという。


 夢は体面上は他人との関わりを拒絶しているものの、中身はごくごく普通の女の子であり、また母親と別居しているという状況も踏まえれば、人一倍誰かとのつながりを欲しているとも言えるわけで、嫌々入部した天文部でしたが、だんだんとそこに自分の居場所を見出していきます。スタンス的にかなりツンツンな女の子なのですが、一旦懐に入ってしまえばちょろい子で、その見た目や言動に反してかなりおせっかい焼きな真芝くんによって、心の壁はどんどんと崩されていきます。それがいつしか恋心へと変わっていくわけですが、その過程は見ていて無理が無く、ごくごく自然な流れとなっています。


 イケメン4人がいて実質ハーレム状態なのですが、相手役本線は最初から真芝くんで、残りの3人がライバル戦線に浮上してくる感じは今のところありません。たぶん1人ぐらいは出てくるんじゃないかと思いますが、あまり深く描かれることがないので、ぶっちゃけモブ感がすごいという。真芝くんは歯に衣着せぬ発言で誤解されがちなのですが、その発言の真意を探ってみると、どれもこれも夢の境遇や気持ちを慮っての発言であり、実に優しく面倒見の良い男の子であるということがわかります。いい塩梅であれば「紳士的」と表現すれば良いのでしょうが、ここまで行くと紳士というよりは、おせっかい焼きなおばちゃんに近いものを感じるという。また真芝くんの意外と天文への熱量は高く、生き生きと宇宙や星について語る姿はとても可愛らしいですね。意外と女子への免疫も無さそうで、少年のような魅力のあるキャラクターです。



ぶっきらぼうというか、不器用なやさしさがグッと来るんですよね。


 部活もしっかりと活動実績を作らないといけないので、見知った5人が集まった私物的部活と言えど、きちんと定期的に活動やイベントを催します。星空の鑑賞会であったり、部員たちで出かけてみたりと、思いの外真面目に部活的イベントをこなすんだな、と。ハコ化して部活の目的なんてどこへやら……という感じで進む想定をしていたので、意外と真面目なのでその辺も好感が持てました。部活といい、相手役のキャラクターといい、きちんと設定を活かして進むので、後は若干影の薄い残り3人のイケメンたちをいかに上手く使うかが、ここからさらに上昇するための鍵のような気がします。そのためには長期連載化必須かと思うのですが、果たして。前作は4巻まで行きましたから、とりあえずはこの辺が目標になるでしょうか。



【感想まとめ】
ハーレムものですがハーレム感はあまりない、雰囲気的には別冊マーガレットらしい部活もののラブストーリー。



作品DATA
■著者:星谷かおり
■出版社:集英社
■レーベル:マーガレットコミックス
■掲載誌:別冊マーガレット
■既刊1巻



ためし読み