■7巻発売しました。
理久への「好き」を抑えきれない天。2人で出かけた神社で、「俺の事…好き?」と理久に点は(気合を入れて!)やっと「好き」って言えた……。でも両想い……なはずなのに、天が次に言った言葉で物語は思わぬ展開に。不器用にしか進めない、天の恋のその先は?




手順をしっかりと踏むこと

 あっという間に7巻ですね。今回は物語的にもかなり進展したため、今回のレビューはいつにも増してかなりネタバレになるかと思いますのでご注意を。


 前回ラストでは、理久が天に対して「俺のこと…好き?」と核心に迫る言葉をかけて終わったわけですが、その流れの中で天は「好き」だと伝えます。けれどそのまま付き合うだとかそういう流れにはならず、自ら「待っててください」と言い放ち、仕切り直し。今のままではダメで、しっかりと相手に見合う女性になろうと、化粧にダイエットにと、自分磨きをはじめます。もうこの時点で理久は天のことが好きなので、別にこのプロセスなんて無くても良いのですが、天自身がここまでこれといった頑張りをせずに結果だけ手に入れるのを良しとしておらず、結果は同じであれど、彼女にとっては必須のプロセスなわけです。で、この後も2人は実に手続き的な、一つ一つ確認しつつのスローな進展を見せるわけですが、読み手としてはその意図がわかりやすく伝わってきて良いですね。


 ちなみに理久の「俺のこと好き?」という確認は、恐らく1~2巻で天が言った言葉をそのまま返す形を狙っているんだと思います。そういえばその時も千秋がいたんでしたっけね。この時はいませんでしたが、その後は出くわしちゃうわけで、あの時から見届人であることは決まっていたのか……と思わなくもなかったり。

付き合う直前の幸せな感じ

 その後、天は改めて告白をするわけですが、互いに一度は想いを伝えているため、”付き合う直前のあの幸せな感じ”が存分に描かれております。6巻でも度々そんなシーンがあったのですが、7巻のそれはまた一段とニヤニヤ感が強く、もうこれとか素晴らしかったです。



これで付き合ってないとか信じられない

 前回も書いたような気がするのですが、1巻の時の天とはまるで別人のようで、照れてれニヤニヤするただの恋する女の子。ちょっと変わったサッパリ少女はどこへやらでした。


 さて、その後自ら理久を呼び出して改めて告白をするわけですが、仕切り直しでの、「自ら能動的に伝える」ということが大事なんですよね。流れから言ってしまった前回とは違い、今回はしっかり準備をして、意を決して伝える。やっていることや、呼び込まれる結果はまるで同じであろうとも、こうすることが大事なんです。


 そしてこの場は邪魔者によって腰を折られてしまうのですが、その後のバスで今度は理久が天に対して付き合って欲しいと告白。神社で仕切り直して、2回告白をした天と同じように、理久にもバスという同じ場所で、改めて彼の想いを伝えるチャンスが与えられました。なので、付き合うまで結果4回も告白があるという、実に回り道な恋路でした。でも互いに仕切り直しをさせることで、立場的に対等でいられるんですよね。その配慮が素敵です。



 あと、神社といいバスを降りる時といい、どちらも天が一段高いところに立って、目線が同じもしくは天の方がやや高い形になっているところもGood。これも互いが対等であることを暗喩しているような気がしなくもありません。ま、していてもしていなくても、ただただシーンとして魅力的なんですけどね。

千秋はどうしたんだよ

 さて、2人がそんな素敵な恋模様を描いている中、すっかり困ったちゃんになってしまった千秋は、今回も困ったちゃんぶりを存分に発揮していました。



「理久と友達でいる資格ないよ」と言った後に理久にこう返されショックを受ける千秋。



でも懲りない(この心の強さが迷惑素敵です。)


 今回も理久をつけていったら、告白の現場に遭遇してしまうという空気の読めなさ。素晴らしいです。あと天にふられたってのもあるんですが、この困ったちゃんぶりが発揮されるのって、理久に対してだけなんですよね。あれ、おかしいな……1巻を読み始めたときは、天を巡って理久と千秋が争う三角関係だと思ったのに、なんか7巻では理久を巡って天と千秋が争うみたいなシチュエーションになってるぞ……。蘭さんに対して、理久と天のことを擁護するときも、「理久と天」と言って、理久が先に出てますからね(勘ぐりすぎ)。


 さて、めでたくお付き合いをすることになった2人ですが、ここから物語はどう展開していくのか。寮のイベントでも良いですし、2人だけで出かけても良いですし、互いの学校に何かのイベントで顔を出しても良いですし。新たな段階に踏み込んだ本作のこれからに注目したいと思います。


 あ、あと全然関係ないですけど、今回めちゃめちゃいい働きをした理久のストーカーの女の子のスピンオフが読みたいです。ずっと理久を見てるだけって話でもいいので。いっそ、理久のストーカー同士ってことで、千秋とくっつけたらいいんじゃないですか(投げやり)。森下先生、ぜひお願いします。