就職先が決まらず悩む優理子は、不倫現場を尾行中の神志名と出会った。ひょんなことから探偵会社「まごころクレイン」に就職する優里子。そこは、毒しか吐かないが有能な神志名と、女性とみれば誰でもOKなキャラを仕事に活かす平塚がいた。かなり変わった男たちの間で仕事を覚えていく優理子だが、神志名との関係も次第に変化して……!?ドS男VS.イノシシ系女子のちぐはぐ恋愛ストーリー。







 山田ロック先生のスピカ連載作です。山田ロック先生はBL漫画家さんのようですね。本作は非BLのお話になります。ヒロインは、恋愛のもつれから会社を辞め、絶賛再就職活動中の優理子。なかなか再就職先が決まらず悩んでいたある日、不倫調査をしている神志名と喫茶店で同席に。そこで就職先が見つからないことを見抜かれた優理子は、言い合いから「私の仕事探してくれない?」と言ってしまいます。するとそれに乗ってきた神志名は、優理子を彼が切り盛りする探偵事務所でバイトとして試用してくれることに。口が悪い神志名と、女たらしの平塚という、なかなか食わせ者な2人と共に探偵の仕事を始める彼女でしたが、どうにも失敗続きで、、、というお話。




ピリオド
ヒロインはなかなか負けん気が強く、神志名に何か言われてもへこたれずに食い下がります。その姿勢がやがて神志名の心情にも変化をもたらすのですが……




 探偵事務所を舞台としたお話ですが、殺人事件や誘拐事件なんていう大きな案件はありません。現実に即し、主な仕事は浮気調査に素行調査、行方不明者探しに果ては「別れさせ屋」まで、比較的地味で泥臭い案件に携わっていきます。その仕事を通じ、曲者・神志名との関係が徐々に変化していく過程を楽しむという展開。神志名は正確には難アリですが、観察眼鋭く非常に仕事ができる男。一方の優理子は不器用を絵に描いたような人間で、時に自分の正義感のままに暴走してしまいそうになることもあるなど、探偵には不向きな感が強いです。ゆえに失敗も多く、度々神志名にフォローされどやされるという関係。けれどもそれだけではなかなかめげない心の強さも持っていて、神志名もだんだんと懐柔されてくるといった変化を見て取れます。




 所帯じみた他人の私情・痴情のもつれを通して、当人たちの関係性に変化をもたらすというのは、麻生みこと先生の「そこをなんとか」を思い出させますね。当人たちのやりとりは、仕事の話をベースにしていて、純粋に自分たちの話をするのは全体からみるとわずかで、けれども話が進むごとに着実に距離感は縮まっているという。舞台は法廷でない上に1話完結のスタイルですので、あそこまでバラエティや突飛さはないものの、こじんまりとした中でのドタバタがしっかりと描かれており、地味ながらも面白味がある作品に仕上がっています。




【感想まとめ】
→一応恋愛ものにはなると思うんですけれども、そこまでガッツリ腰を据えて描かれるわけではないので、全体的な印象はやや地味でしょうか。でも自分からするとこのぐらいの割合の方が好みですし、周りを丁寧に描いている感があって良かったです。


作品DATA
■著者:山田ロック
■出版社:幻冬舎
■レーベル:コミックスピカ
■掲載誌:スピカ
■全1巻
■価格:630円+税