■落ちこぼれの魔女・ヴィーを、悪しき妖魔から助けてくれたのは、名門戒魔師の少年・ユーリ。その力に感動したヴィーは、彼に弟子入りすることに!!だが、絶滅したはずである魔女の存在をユーリは信じてくれない……。そこへ、再びヴィーを狙う妖魔が現れ……!?魔女の”血”をめぐる、本格ラブファンタジー第1巻!!





 Webコミックのcomicフレーバーズからのご紹介です。発売は結構前なんですが、読んでみたら面白かったのでご紹介。『大正ロマンチカ』を描かれていた小田原みづえ先生による、魔女と戒魔師との関係を描いたラブファンタジーです。物語の主人公はこの世界で最後の魔女であると自称するヴィー。妖魔に襲われたところを、戒魔師のユーリに助けられ、そのまま弟子入りを志願するところから、お話ははじまります。魔法が使えるわけでもなく、見た目は人間と全く同じ。自称魔女……胡散臭くて話にならないと、もちろんヴィーは門前払いをされてしまいます。ところが再び妖魔に襲われた時に、彼女の血に不思議な力があることを知ったユーリは、研究対象としてヴィーを屋敷に迎え入れてくれて……というストーリー。



ひと目で感じる、アホ子の匂い。こういう子ほど、ここぞというときに真っ直ぐ頑張っちゃうし、その正直さにこちらが救われたりするんですよね。なおEカップという謎の情報も序盤に明らかになります。子供じゃないのですよ、子供じゃ。


 主人公のヴィーは、魔女ではあるものの、何か魔法を使ってどうこうしたり出来るわけではなく、ただのどんくさい女の子という感じ。その事を彼女自身も気にしており、何か力を身につけられないかと、戒魔師のユーリに弟子入りを志願するという背景があります。彼女の血には色々な効用があるらしく、例えばユーリがその血を舐めると、途端に妖魔が肉眼で見ることが出来るようになります。また妖魔にとっても良いことがあるらしく、一度血を流してしまえば妖魔が寄ってくるという始末で、ちょっとした拍子にピンチに陥ることもしばしば。ケガであれば気をつけていれば良いと思うのですが、女性の場合は月イチでアレが来るので、その辺どうなんだろうとかちょっと気になってしまいました(魔女は関係ないのかもしれませんが)。


 そんな彼女とタッグを組むのが、少年ながら名門戒魔師の看板を背負うユーリ。戒魔師としての能力は界隈でも随一なのですが、実は妖魔を見る・感じるといった特殊な能力は持っておらず、いずれも自ら開発した道具を駆使してそのハンデを克服しています。冷静な性格で、多少のオレ様感を感じさせる態度が素敵カワイイですね。ヴィーに対しては、研究対象としての興味はもちろんのこと、ユーリに特殊な能力が無いことを知ってもなお尊敬の念を抱いてくれていることから、同じ術を持たない者同士の共感も相まって、少しばかり特別な感情も抱いている模様。ただ恋愛感情になっていくには、もうちょっと時間がかかりそうですね。



ピンチの時は、ちゃんと守ってくれる頼もしいユーリ。こういうところでドキッとするわけです。


 今更ながら気づいたのですが、私この、ちょっとドジっぽい魔女っ子と、頼りがいのあるクール系研究者という組合せ、好きなんだな、と。パッと思いつくのは『世界でいちばん悪い魔女』なんですが、たぶん探せば他にも色々出てくるはず。こういう組合せは、コメディとしても転がしやすいし、ピンチの時はそれぞれが助け合えるし、ラヴい展開にもしやすいしと、美味しいところばかりなんですよね。本作もまさにその通りで、笑い良しテンポ良し恋愛要素良しと、どれも良い感じで進みそうな兆しを見せております。今のところ着地点は見えないのですが、いかようにでも落とせそうで、あまり心配はしていません。登場したばかりのWebコミック、レーベルになりますが、期待感は大きいです。続きが楽しみですね。



【感想まとめ】
全くストレス無く、サクサク楽しく読むことの出来る良作魔女っ子ファンタジー。恋愛要素も織り交ぜつつ、良いバランス感で進みます。オススメ。



作品DATA
■著者:小田原みづえ
■出版社:日本文芸社
■レーベル:コミックフレーバーズ
■掲載誌:コミックフレーバーズ
■既刊1巻



ためし読み