■3巻発売しました。
直彦と泉と遠恋中だと知っても、アプローチしようとする小春。泉の幸せを願う英二は、小春の邪魔をするために、小春に「つき合おう」と提案する。そんな時、直彦のもとに突然、泉が現れて、6人の恋はさらに複雑に…?




泉のヒロイン力が高すぎるんですが……

 3巻です。何よりもまず表紙ですよ。高校生になってから、直彦の彼女である泉の顔は意図的に描かれていなかったので、「あ、これはこのまま良くない感じになって別れるやつかな」とか思っていたのですが、まさかのバリバリ登場。



というか登場して1コマ目で分かる、圧倒的ヒロイン感。

 もちろん池澤さんも、小春も素敵で、ヒロインを張るに十分魅力的な子なんですけれども、池澤さんは美人かつ気難しく、一方の小春は八方美人腹黒系と、どちらも強い脇役というポジションの方がしっくりきそうな素質の持ち主ではあるのです。それに対して泉は、ショートカットで快活な、いかにも主人公ですって感じの元気っ子じゃないですか。1巻で過去が描かれていたので、もちろん遅れて登場してもキャッチアップ出来る下地はあったのですが、それにしても。また元気な感じでいて、英二の告白の再現の時のこれ。



ちょちょ、この表情どういうことなの?引きずってるの?どういう感情?


 と、一気に興味惹かれる感じ。純粋にキャラクターとして魅力的なのに加えて、こういう背景的な強みまで持ってるって。その笑顔の裏に、何かあるかもしれない、攻守共に最強のヒロインですよ。3巻表紙に描かれたのが、池澤さんでもなく、小春でもなく、彼女ってあたり、もう全く反論の余地がないです。

でも私は池澤さんが好きです

 さあ、というわけで突然強力なキャラクターが登場してきて立場がピンチの池澤さん。この子も負けじと、3巻にしてその魅力にブーストをかけてきました。彼女がいるという情報を聞いてモヤモヤするっていう、比較的オーソドックスな反応。そこからさらに、自分の恋心を自覚しちゃうわけですが、元々プライドの高い、あれこれ考え込んでしまうような素直じゃない子ですから、その時の反応がことさら可愛らしいんですよね。



顔赤らめてしかめっ面

 英二の無意識の反応にまんまとやられてしまうこのチョロさとか、意識すればするほどに好きという感情に気付かされてしまうところとか、恋なんてしたことが無いからどう対処したらよいかわからずモニョモニョしちゃうところとか、その全てがかわいい。泉という強力キャラが登場しても、やっぱり私は池澤さんが好きだなぁと実感させられるのでした。しかしよくよく考えると、英二の気持ちはまだまだ泉にあって、それでいて彼女という物理的に一番近いポジションは小春に取られていて、あれ池澤さん普通に考えると一番不利なポジションじゃね?


 その想いを成就させるためには、この精神的なポジションと物理的なポジションで2人を出し抜かなければならないわけで、そこを超えていけるほどの意欲があるとも思えず、さてここからどう行動するのか気になるところであります。想いを飲み込んで諦めるというのも、青春群像における好きなシーンの一つではあるのですが、この手のキャラには是非とも想いを実らせてほしいんですよね。そういう時に諦めるのは、ハイスペックで人当たりの良い、「これダメでもすぐ次見つかるっしょ」みたいなキャラであってほしい(偏見)。


 そういえばここまで小春に対してノータッチですが、彼女もまた別の意味で存在感を放っています。特に英二にプレゼントあげたところ、あれってどういう考えで渡しているのか。穿った見方をすると、これをきっかけに小春が英二に好意を持つことも十分考えられるわけで、もし泉も英二にモヤモヤとした思いを密かに抱えていたりしたら、どんだけ彼モテるんですかっていう。そして直彦……。いやはや、面白くなってまいりました。

太一がちょっと弱いんだよなぁ

 さて、本作一応男女6人の恋物語という紹介をされているようです。6人もいたっけな…と思ったら、太一がカウントされてるんですね。うん、確かにここまでかなり物語に食い込んではいる。けれども池澤さんは全くもって興味を示してくれておらず、どうにも他の5人と同列に扱うには、弱い印象があるんですよね。めちゃめちゃわかりやすくてイイ奴ってのはわかるんですが、このどうにもぱっとしない感じ、『花より男子』の美作を思い出します。F4にいながら、キャラ人気投票で和也より下に来たというとんでもない逸材で、個別ストーリーもこれと言って描かれることのなかった美作さん。奇しくも金髪ロン毛系という共通点が。


 あと女子3人、今の所彼に矢印が向きそうな気配がまったくないところがつらい。下手したらバンドつながりで軽音部の女子とくっつくとかありそう(現実だと割とありがちな展開)。これだけポテンシャルが高いキャラが揃っていると、どうしてもヤムチャ感が出てしまうわけで、頑張ってはいるんですが、から回ってる感があるんですよねぇ。どうしたら彼が輝くのか、出口は未だ見えずといったところでしょうか。がんばれ、太一。