■5巻発売しました。
有栖川鈴は、ピュアで古風な女の子。生まれて初めて恋をしたのは、優しくて紳士的で人気者の野宮くん。バレンタインにチョコを渡して、想いを告白したい鈴だけど、野宮くんの中学時代の同級生・ほのかさんも、野宮くんのことが気になる様子……?でも、ほのかさんは鈴を応援してくれて!?




オザキアキラ作品をオザキアキラ作品たらしめているもの

 めちゃめちゃ体調崩してまして、1週間ぐらい謎の微熱と頭痛に苦しんでいたのですが、仕事の忙しさのピークが去って毎日定時帰りするようになったら、体調がみるみる回復してきました。悪いのは残業だったんだ……!というわけで、働きたくない気持ちマックスでブログ更新してます。むしろブログ更新じゃなくて転職活動した方が良いんじゃ……。


 さて、発売からだいぶ経ってしまいましたが、『ふしぎの国の有栖川さん』5巻が発売しました。オザキアキラ先生、改名(漢字からカタカナになっただけですが)したりと迷走していたのが嘘のように、今となっては当たり前のように5巻ぐらい出しちゃうこの安定感。面白いですもんね、『ふしぎの国の有栖川さん』。で、改めて何が面白いんだろうとふと考えたんですけど、私がいきついた結論は「菅谷が面白いから」でした。というか、脇役全般が面白い。


 そもそもこの作品、ヒロインの有栖川さん、世間知らずのお嬢様という色モノキャラなんですけれども、マンガ界を見渡してみると、何も目新しい設定のキャラクターではないんですよね。通学中に落語を聴くのだって、恋に疎すぎて「好き」だと自覚しても「付き合う」という発想までいかないのだって、ありふれすぎていて、むしろ手垢すらついているようなベタ設定。色モノ界では普通という、謎の現象が発生しているんです。で、相手役の野宮くんも、ピュアっピュアの王子様ってところで、そこまでありふれてはいないかもしれませんが、いかんせん動きが無いので物語に大きなインパクトを生み出すことが無いという。要するに何を言いたいかというと、有栖川さんと野宮くんだけがきゃっきゃうふふやっていたとしても、そこまで特筆して面白くはなっていないんじゃないか、ということ。というか、むしろオザキアキラ作品をオザキアキラ作品たらしめているのは、脇役たちなんじゃないかってお話です。

今回もズバズバ

 今回も脇役たちが縦横無尽に駆け回りました。中心となるのは菅谷ですが、なっちゃんもなかなかです。今回もほのかさんに対してやりたい放題。





簡単に食べ物に釣られたと思ったら





真正面から核心突く発言




 この流れとかガン無視で物語をパワーでもって動かしていくこの感じ、好きですわ。絶対に友達にはいてほしくないですが、こういうメイン2人がなかなか行動に移せないようなタイプの場合には重宝しますよ。これからもこのまま欲望と本能の赴くままに生きてほしい。


 そしてもう一人、場を動かせるのが菅谷。彼もなっちゃんと同じように重宝する脇役ですが、彼の場合は空気を必要以上に読んで、メイン2人を流れに乗せるという役回りをこなしてくれます。同じように絵面はワチャワチャするやかましさはあるのですが、その性質は全くの別もの。空気読まないような行動も、極限まで空気読んでのことですからね。将来ハゲそう。これぐらい身を捧げることが出来るキャラクターだからこそ、野宮くんも彼と仲良しで居れるというのは納得感がありますよね。報われてほしいものですが、報われてしまったら彼の良さが失われてしまいそうな気もするので、このままでいてほしい。


 そういえば5巻発売記念のプレゼント、菅谷のメガネグッズセットが5名様ということで、大フィーチャーですよ。すごい。彼の人気を裏付ける証拠であり、彼がこの物語を支えている最重要人物であることがうかがえます(偏見)。いや、ほんとにこういう形であれ報われてくれて良かったですよ……(涙)

10巻も見えた

 菅谷の良さについて語ろうかと思っていたのですが、なっちゃんとの対比ってだけで事足りてしまったので、なんか意外と書くこと無かったです。いや、エピソードであれば枚挙に暇が無いのですが、そういうもんでも無いだろう、と。ちなみに脇役がわちゃわちゃしているのは何も本作に始まった事ではなく、前作の『ハル×キヨ』からして、その脇役のパワーたるや凄まじいものがありました。むしろ凶悪度合いではあっちのほうが上だったんじゃないか。で、そういった脇役のパワフルさは変わっていないのですが、本作で明確に変わったのは、メインを構成する2人が比較的大人しい上品なタイプになったこと。


『ハル×キヨ』はメイン2人も脇役に負けず劣らず個性的かつ暴走しがちなキャラが揃っており、場がかなり荒れる印象だったのですが、本作ではそこまでいかず、いい感じに収まるように。わちゃわちゃする脇役に対して、メイン2人はほのぼのとした空気感になることも多く、良い対比になっているように感じます。そういうキャラクターの収まりや、脇役の動きやすさ(動かしやすさ)という意味では、本作の方が『ハル×キヨ』よりも勝っていると思いますし、もし私の『オザキアキラ作品をオザキアキラ作品たらしめているのは脇役である』という話が正しいのであれば、本作の方が明らかに伸びる……はず。というわけで、今ようやく5巻なわけですが、既に10巻も射程に見えはじめたな、と勝手に期待して本稿は締めたいと思います。


そういえば最後、菅谷が変なことになっていましたが、そこだけちょっと不安だったり。いや、彼には噛ませ犬にはなってほしくないのよ。あくまで菅谷は菅谷のポジションから菅谷しててほしいのです(願望)