■ニヤつきながらそこで待ってろ メフィスト
 ヨハンナ・ファウストは、立ち寄ったとある街で、本泥棒として追われていた少年・マリオンを助ける。しばらくの間、彼の教師役を買って出たヨハンナだったが、その狙いは、協会に封じられた己の悪魔を取り戻すことで……!?封じられた悪魔を探し続ける少女・ヨハンナの不死と禁忌をめぐるダークファンタジー、開幕!!





 「魔法使いの嫁」ヤマザキコレ先生のITAN連載作になります。「魔法使いの娘」が話題になっているのは知っていたのですが、実はいまだに読んだことがなく、ヤマザキコレ先生の作品はこれが初めてでした。ではでは内容のご紹介をしましょう。あらすじは冒頭の通りで、お話は表紙に描かれている女性・ヨハンナと、本泥棒として追われていた少年・マリオンが出会うことで始まります。追ってから逃した貸しとして、新月の夜にとある場所の扉を開けてほしいとヨハンナはマリオンにお願いをします。新月の夜まではしばらく日があるので、それまでは彼の教師役として、彼女が持っている色々な知識を教えることに…。そして迎えた新月の夜、扉を開けその先に待っていたのは、悪魔の体の一部と、彼女を追う異端審問官で……というあらまし。

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悪魔は普通に目に見える形で登場したりします。体は全て揃っていないので、頭がない状態。



 伝承として伝わる悪魔と契約したファウスト博士という人物は、なんと実在していて、今(といっても古い時代ですが)なお生き続けているという設定。契約をした悪魔は5体を刻まれ、各地に封じられており、ヨハンナは悪魔を復活させるために画策をしています。そんな彼女を追うのが、異端審問官。伝え聞いているようなファウスト博士とは異なり、博識で良識もあるようなヨハンナの姿にマリオンは惹かれ、彼女についていくことを決意します。なぜ彼女とその悪魔は追われているのか、なぜヨハンナは悪魔と契約をしたのか、そしてそんな彼女を慕い集まる者たちの思惑とは、、、話が進むごとに、マリオンの目を通してそれらが徐々に明らかになっていきます。




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人間と悪魔(というかヨハンナ)のどちらにも正義というものがあり、善悪を一面的に捉えられないというのがこの物語の見どころであり、描きたいところなのかと思います。上のようなやや複雑な背景設定があるため、1巻時点では舞台整理が主で、本格的に物語の核心に迫ってゆくのは2巻以降になるかと思います。ともあれ1巻の時点でも読みごたえは相応にあり、また最終的にどういう所に着地するのかというのもなかなか想像がつかないのですが、それゆえの楽しさ・面白さが味わえるのではないでしょうか。


 また表題作に加えて、「透明博物館」という読み切り作品も同時収録されています。こちらのお話も現代を基調としながらもファンタジックな要素が強い内容。透明なものを展示しているという透明博物館で、透明な蝶を捕まえるバイトをヒロインがするというお話。こちらは明快なコンテクストを以て説明されることがないため、最初から最後まで独特な雰囲気で描かれます。



【感想まとめ】
→相対する両者が描かれているものの、どちらが悪かは明白でなく、加えて落としどころもわからないので、続きが非常に気になる内容となっています。ファンタジックな要素が気にならない方であれば、お手に取ってみては。



作品DATA
■著者:ヤマザキコレ
■出版社:講談社
■レーベル:KC ITAN
■掲載誌:ITAN
■既刊1巻


ためし読み