■6巻発売しました。
泉にキスをしてしまった英二は、直彦・泉と、いまだ気まずい関係のまま過ごす。瑞穂は、英二が直彦とケンカした理由が気になって仕方ない。それを見かねた太一が…!? 一方、小春は、直彦と泉の固い絆を前に、元彼とヨリを戻すけれど、どこか無理をしていて…?




進んだ……のか?

 6巻なんですけど、相変わらずもにょもにょしてるのが良い。というか、すごい。いや、キスとかしちゃってるんですけど、それも意を決してという感じじゃなくて、「なんか自分でもわかんないけど思わず……」みたいな、こうやって後悔する系のアクションなので、物理的には物語は動けども、精神的にはあんまり進歩が見られないなってのが、読んでいての印象。あ、むしろ個人的にはそういうはっきりしないゾーンでウロウロしてくれたほうがこの物語を楽しめるまであるので、全然批判とかではなく、むしろ称賛というニュアンスです。はい。

想いを伝えるも、×はついてないよね

 キスが一つ大きな出来事ではあったのですが、6巻でも結構色々なことが起こってまして、一番は何かと言えば、池澤さんの告白でしょう。彼女のことを未だ思い続ける太一の言葉に後押しされ、自身の恋心と向き合い、想いを伝えることを決意。恋愛経験も浅く、いっぱいいっぱいだったはずなのですが、意志の強さによって、自ら心に決めたとおり、しっかりと想いを英二に伝えました。





 まあこれで付き合うかなんて、そりゃあならないワケですけれど、印象的にも彼女のマインド的にも、これは諦めるための告白というよりは、宣戦布告的な、これからはじまる感じがビシビシと伝わってくる告白で、またしても恋の矢印が完全に消えたり、通行止めになったりしない、関係継続のパターンとなりました。




 英二もキス事件で泉の心境が明らかになって、かなり線は薄くなりつつも、消えてないと思うんですよね。この、色々な可能性を含み残す感じが、この作品の面白いところだなぁ、と。太一も振られてこのままいい脇役として終わるのかなぁとか思っていたのですが、まだ一線で踏ん張ってますもんね。でも池澤さん好きとしては、太一とではなく、英二と成就してほしいので、素直に応援できない自分がいたりします。



太一の方が小春より公式サイトでは優遇されている件

 太一はめちゃめちゃいいヤツだと思うんですが、メインキャラとなるにはワンパンチ足りない印象があるんですよねぇ。この人の良さと面倒見の良さは抜群だとは思うんですけれども、そういう良さって、むしろ同世代よりも部活の後輩女子とかに響きそうじゃないですか。だから太一にはそういうところとくっつくと良いんじゃないかなとか勝手に思ってるんですけどね。果たしてどうなることやら。ちなみにそんな私の失礼な印象とは裏腹に、すでに表紙も飾っていますし、別マの作品紹介では3番手扱いですから驚きです。






主要キャラ扱いの太一さん。





そして女子はなぜか池澤さんしか描かれていない。絵にいない泉はまだしも、小春はなぜ?




 「池澤さん、だったらヒロイン扱いで、これ英二ルートあるで!」といいたいところですが、いや正直、対英二で言うと、むしろ小春の方に分があるんじゃないかとすら感じるわけで。だってフリだとはいえ、付き合っていたし、同じ境遇で共感しあえるってのは強いですよ。でもそれだと、同じステージの者同士でくっつくことになるから、あんまり精神的に健全な印象は無いんですよねぇ。というかむしろ小春はなぜこのページで言及されていないのか…謎すぎます。

 

これもうただのBLじゃん

 さて、今回も真っ直ぐだったり歪みまくっていたりする恋心・恋模様を存分に楽しむことが出来たのですが、個人的には恋愛よりもむしろこっちが印象に残ったぞってことがあるので、その話をさせてください。まずはこの一幕……





太一の友達、野島くん。わざわざ池澤さんを呼び出して、「あいつが落ち込んでる姿見てると辛い」「あいつが可哀想」「だからそういうのやめてって言って」と、強めのお願い。




 「え、こいつ太一のこと好きなんじゃね?(恋愛的な意味で)」「え、てか恋人なんだっけ?」とついつい勘ぐってしまいそうになりましたよ。いや、友情としての描写なんだろうけど、こう呼び出して、「○○が可哀想だからやめて」って言うのって、割と女子的というか、実際の男子はやんないよねっていう。


 ちなみにホモみを感じたのはこのシーンだけじゃなくて、今巻はもう一個ありましたよ。それがこれ…





(LINE)ブロックじゃ なかった……




 おい、おまえらも恋仲か。このブロックされているかどうかを気にする女々しさったらないですよ(最高)。今の男子高校生がどうなのかよくわかんないんですけど、同性同士てそんなポイポイLINEブロックってしないよなぁ、という印象なんですけど、実際のところどうなんでしょ。これがジェンダーギャップなのか、ジェネレーションギャップなのかはよくわかんないんですが、いずれにせよ、後半怒涛のBL風味に思わずニヤニヤしちゃいましたよ。ここだけ切り取ると、この2人の恋物語だし、太一と野島は脇役同士のカップリングで全然違和感ないっていう。掲載誌が掲載誌だけに、そっち方面での広がりは当然ありえないんですけれども、この作品のキャラクターが持つ可能性みたいなものを、大いに感じられた6巻でした。