赤面症で、あだ名が「赤飯」の亘理苺花は、15歳の高校1年生。学校を病気で長期欠席をしていた彼女が久々に登校した文化祭で出会ったのはメイド姿の美女・「すもも」。「私のはじめての“おともだち”になってもらえませんか……?」だけど彼女の正体は、苺花に一目惚れしたクラスメイトの男の子・桃井旬。本当は苺花と恋愛関係になりたいのに「おんなともだち」になってしまって……





■お久しぶりです。サイト引っ越ししたと思ったら、本当の住居の方も引越しすることになりまして、ようやく一通りの荷解きが終わって段ボールを処分したところです。自分はこの手のサイトをやっている人間からすると持っている書籍の数はかなり少ない方だと思っていたのですが、箱に詰めて積んでみるとそれが多いのなんの。本棚に入っているとなかなか自覚できないのですが、結構な量が入っているのですね。というわけでぼちぼちと更新再開していきますので、お付き合いのほどよろしくお願いいたします。


 というわけで久々に紹介するのはシルフ連載作の「赤飯ちゃんとすもも君」です。あらすじは上記の通りで、女装男子の倒錯的ラブコメとなっております。ヒロインは病気がちで欠席が多く、学校生活というものにやたらと夢を抱いている苺花。入学後も長期欠席をしていたため、仕切り直しと息巻いて登校するも、誰も彼女のことを覚えておらずに意気消沈。そんな中唯一彼女に声をかけて来てくれたのが、すももという長身の美女でした。以来苺花はことあるごとに“彼女”を頼るようになるのですが、“彼女”はちょっと困惑気味。それもそのはず、すももちゃんの正体は、入学初日に苺花に一目惚れをしていた隣の席の桃井君なんですから。文化祭でたまたま女装していて、以来その正体を打ち明けられずにいる桃井君の苦悩は続く……というお話。




赤飯ちゃんとすもも君10001
桃井君はこんな感じで日々思い悩みます。バレると困るので顔も見せられないし、声もあんまり発せられない。




 桃井君は苺花のために休み時間の度に女装をするという頑張りっぷり。メイクをし、すね毛はジャージでガードするという完璧な体勢です。まあ普通に考えたらバレるんですけれど、そこはマンガですから、これが全くバレる気配がないという。ヒロインの苺花がものすごく素直で人を信じやすそうってのがあるんですが、まあそんなところ含めて桃井君は彼女のことが好きなんでしょうね。


 ちなみに普段の桃井君はかなりのクールガイで、苺花にも自然体で接することができずついつい冷たい態度を取ってしまいがち。そのたびに後悔している姿が可愛らしいです。なお一目惚れのきっかけは、留年している自分に対してもたじろぐことなく笑顔で接してくれたから。承認されたって気持ちと、人付き合いで空回りしている彼女を守ってあげないとっていう気持ちが入りまじって恋になったという感じでしょうか。留年している理由は後々明らかになって来ます。


 苺花は可愛いんですけど、ちょっと危なっかしいと同時に、期待先行で理想に沿って人間関係を構築しようとするためにちょいと怖い&痛い部分も見え隠れ。あだ名の「赤飯」は赤面しがちであることが由来で、少しばかりバカにされているという側面もあるようです。そんな危なっかしい彼女を大いなる愛で受け入れ守ってくれるのが桃井君で、まあ要するに愛称は非常によろしいです。物語は1巻時点では完全に2人だけで回っていくので、ニヤニヤできるイベントもたくさんあります。




赤飯ちゃんとすもも君10002
桃井君からしたら若干不本意な形で次々願望を叶えていくことに。にしても苺花ちゃんかわいいです。びくついている割に結構自分の要求を通してくるんですよね。




 1巻はとにかく身を明かせないがゆえのシチュエーションを存分に活かした1対1のイベントを描ききる形になっているのですが、2巻に向けて一人キャラクターが投入され、色々と雰囲気は変わって来そうです。こういうちょっと振り切れたノリの作品は結構好きで、いかにもシルフらしいと言えるのではないでしょうか。設定・展開的にも長期連載というイメージは湧きませんが、十分に楽しめましたのでオススメで。





【感想まとめ】
視点は苺花メインですが、後半にかけて桃井君が多く。基本的には彼の苦労と苦悩を楽しむ作品で、そんな中に垣間見えるニヤニヤイベントが美味しいんだ。



作品DATA
■著者:椿カヲリ
■出版社:KADOKAWA
■レーベル:シルフコミックス
■掲載誌:シルフ
■既刊1巻
■価格:580円+税


ためし読み