■ついに念願のひとり暮らしを始めた女子大生・昴。“恋をしたい”と思っているけれど、新居のアパートのお隣さんはなんと、イケメンだけどイジワルなことを平気で言う、第一印象最悪の瑠以だった!何かと関わってくる彼の言動にムカつきっぱなしの昴だが……!?オトナのためのピュアラブ第1巻!





 藤原よしこ先生のプチコミック連載作です。藤原よしこ先生と言えば「キス、絶交、キス」や「恋したがりのブルー」など、中高生の切ない恋模様を描く漫画家さんという印象が強く、プチコミ連載というのはちょっと想像がつかなかったのですが、読んでみて安心しました。掲載紙が変わっても、主人公たちが大学生になっても、やっていることは藤原よしこ先生が幾度となく描いてきたピュアでキスしがちな恋物語。思わずにっこりでした。


 物語のヒロインは、教育学部で美術を学ぶ大学生・昴。最近念願の一人暮らしを始めたばかりです。親友が彼氏と仲良さそうにしている様子を見て、自分もそんな相手を見つけたいと、新生活に夢見るのでした。そんな彼女のお隣さんは、同じ大学に通う瑠以。イケメンで学校でも人気らしいけど、何かにつけて昴にちょっかいを出しペースを乱してくる彼に、昴はご立腹。けれどもふと弱った時に見せる優しさに触れ、昴の気持ちに変化が……というストーリー。




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どうにもいじりたくなっちゃうタイプのヒロイン。ヒロインの前でだけ、笑顔に。


 大人のためのピュアラブとのことですが、やっていることは小学生とか中学生とかそういうレベルのピュアっぷりで、見ていてちょっと恥ずかしくなるぐらい純度の高いラブコメです。藤原よしこ先生の過去作品を読んだことがある人であれば、「平常運行です」と言えば伝わるんじゃないでしょうか。ヒロインはものすごく素直でお人好しなおっちょこちょいさん。一方の相手役は、クールで無表情でちょっとSっ気のあるイケメンくん。慌てがちなヒロインが、勢い余って相手役のパーソナルスペースに踏み込んで心揺らし、以来何かにつけて向こうがちょっかいをかけてくるという微笑ましい関係性。そしてふとした瞬間にキスしちゃうっていうあれです。




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付き合うとかそういうレベルじゃなく、好きって自覚する前にチュー。普通の大学生だったらキスした後にさらになだれ込むのですが、そうはならずにキスを繰り返すというのがミソ。それが逆にピュアさを際立たせる形になっています。このキスに疑問を持ちながら、段々と自分の気持ちに気づいていきます。


 同じ大学ではあるのですが、学部も違うようでキャンパス内ではさほど触れ合いはありません。むしろメインはお隣同士という所で、ベランダの非常壁を破って行き来出来るようになっており、また体調不良で看病するとかいうお約束イベントも。「好き」という意思はほぼほぼ明確なのに、「好き」という言葉がないから微妙な関係性のままにいちゃつくというのがニヤニヤポイント高いところです。


 また藤原よしこ先生の作品については毎度言っているのですが、明確な悪意を持った“悪役”が登場しないのも魅力の一つです。今回は登場人物も絞られ、ほぼこの二人だけで物語は回っていきます。この後キャラは増えてくるのでしょうが、どのような広がりを見せていくのでしょうか。楽しみですね。





【感想まとめ】
このノリ、この雰囲気が好き。正直ありえないキャラ・展開なんですけれども、だからこそ出せる雰囲気があるといいますか。



作品DATA
■著者:藤原よしこ
■出版社:小学館
■レーベル:フラワーコミックス
■掲載誌:プチコミック
■既刊1巻



ためし読み