■少女の姿をした植物“飴菓子”と、オオカミ族の少年・糸巻。飴菓子はオオカミの生き血を吸い、1年後、熟したその身をオオカミが喰らう。喰い、喰らうだけの関係―――そこに愛が生まれた時、本能に逆らうことができるのか。“餌”として出会った二人の、儚くも美しい愛の物語。





 

「まつるかみ」「橙星」などを描かれている群青先生のITANでの新連載になります。互いを「餌」とし共生する植物「飴菓子」とオオカミ族の、異種族間の究極の恋愛を描いた物語。あらすじの前提として、飴菓子とオオカミ族の関係性についてお話をしておきましょう。

 オオカミ族は、人間と背丈は同じくらいで、耳がついているのが特徴的。彼らは一定の年齢になると、「飴菓子」以外を受け付けなくなる“飢餓期”に入ります。何を口にしても吐いてしまう、そんな状態。一方の「飴菓子」は、妖精のような小さなサイズで少女の姿をした存在。彼女たちはオオカミ族の血を餌として成長します。飴菓子は熟さないと食べられないため、オオカミ族は自分のパートナーとなる飴菓子を見つけ出し、自らの血を差し出し、成長を促します。


飴菓子0001
 飴菓子に血を吸われている間は一時的に飢餓感から解放されるとは言うものの、1年間何も口に出来ない彼らは常にギリギリの飢餓感の中で生きることに。そして最後、飴菓子が成熟すると喰らうワケですが、苦しみを共にし特別な感情が芽生えている中、そう易々と彼女を食べることは出来ないという、その設定からして非常に切ない関係性が描かれます。


 主人公の糸巻は、人間の血とオオカミ族の血が混ざった青年。1巻では、オオカミ族としての血が目覚めてしまった彼が、飴菓子と出会い、そして別れるまでが描かれます。しかしこれはあくまで前段。物語はそれから10年後を舞台に繰り広げられます。商品として捕らえられた天然の飴菓子が、ひょんなことから糸巻と出会い、心を通わせていく(であろう)。


飴菓子0002
段々と心通わせるようになる二人。けれども最後は食べなければならない。


 1巻は上記の通り、2部構成となっており、本編がどのような展開となるのかは今のところよくわかりません。前段はそれだけでかなり心惹かれる切ない物語に仕上がっており、これだけでも読む価値はあるんじゃないかと個人的には思っています。正直「設定勝ち」と言っちゃって良いかと思うのですが、どう転んでも切なく終わりそうな予感をさせ、そういったお話が好物な自分としては今から期待感でいっぱい。群青先生の作品って細かい部分でちょっとわかりづらい部分があって振り落とされ率高い印象があるんですけれど、本作は比較的わかりやすいゾーンで展開されるんじゃないかという期待もあり。



【感想まとめ】

ファンタジックな要素が強い、群青先生らしい作品。動物耳なんてまさにですよね。物語の切なさと絵柄のかわいらしさが上手くマッチした、期待の物語です。



作品DATA
■著者:群青
■出版社:講談社
■レーベル:KC ITAN
■掲載誌:ITAN
■既刊1巻



ためし読み