■ミステリー作家・朏素晴は、創作の邪魔をする他人が苦手。そんな素晴のもとにやってきたのは、1匹の猫。猫の不可解な行動を見ているうちに、小説のネタが浮かんできて……!?
不器用男子×世話焼きの拾い猫。ヒトと猫、それぞれの視点で贈る幸せ一緒ぐらし。




 コミックポラリスの連載作です。表紙からも分かる通り、猫と青年を描いたハートフルキャットコメディ。主人公は23歳のミステリー作家。偏屈で人嫌いな彼は、担当編集と関わるのすら嫌がるような人間。「誰にも邪魔されず本に埋もれて生きていたい」なんて考えるような孤独な彼でしたが、両親の墓参りで野良猫に出会い、「ネタになるかも」と家に連れて帰ったことで、同居生活がスタート。特段構うこともなく、同じ空間にいる二人は、日々を重ねるうちに段々と信頼を寄せあうようになるのですが……。


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 物語は、同じエピソードを人間と猫それぞれの視点で描き出すという構成。それぞれの思惑は全く異なっているのに、双方にとって結果オーライだったりするというのが面白いところ。


 人間というのは時に都合よく、時に都合が悪いように動物の行動を受け取りますが、まぁ動物側にも色々と事情があるわけで。イベント的には家の中で起こるなんてことない出来事なんですけれども、双方の視点を意識しての工夫の凝らされた仕掛けの数々には「良く練られているなぁ」と、癒されると共に思わず感心してしまうのでした。


 23歳にして天涯孤独な主人公の心を猫は存分に癒してくれるワケですが、単純にほっこりさせるエピソードだけでなく、結構感動させるエピソードもあるなど、なかなか侮れません。実質2話で1エピソードとなるため、お話はゆっくりゆっくりと進んでいきますが、そのゆったりさ含めてほっこり癒されてもらいたい。ちょっと気持ちがやさぐれた方に、オススメです。



【感想まとめ】

猫が出てくる物語は手堅いです。まず間違いなく癒されるんで。加えて本作は人間と動物の視点を完全に分けて描く工夫を凝らした構成で、物語として楽しむことも出来るオトクさがあります。



作品DATA
■著者:みなつき/二ツ家あす
■出版社:ほるぷ出版
■レーベル:ポラリスコミックス
■掲載誌:コミックポラリス
■既刊1巻



ためし読み