#彼氏いません
地味で地味で目立たない高校生活を送る女子高生の市村恵莉子。
唯一の楽しみは、かっこよくて爽やかなイケメン・近江章を眺めつつ、日々の妄想をネットでつぶやくこと。でもある日、近江くんの裏の顔をうっかり知ってしまったうえに、恥ずかしいつぶやきが彼にバレてしまって……!?
変態地味女子のアブノーマルLOVE!



 藤もも先生のデザート連載作です。最近よく見かける、スクールカースト最底辺な女子が、思わぬ形で学校トップのイケメン男子とお近づきになってしまうという格差ラブコメディ。

ヒロインの市村恵莉子は、最底辺すぎてクラスでもその存在をあまり認知されていないような地味女子。そんな彼女の楽しみは、人懐っこくて女子から大人気な爽やかイケメン・近江くんを眺めつつ、彼との恋の妄想をTwitterに垂れ流すというもの。そのぶっ飛んだ妄想の内容に、アカウントはそこそこのフォロワー数を獲得しています。ところがある日、ハプニングから近江くんにそのアカウントを知られてしまいます。ドン引きされると思いきや、引かれつつもそれをネタに恵莉子をいじって近づいてくる近江くん。そんな彼のからかいに、ワタワタ焦る恵莉子でしたが……!?


恋わずらいのエリー0001
ヒロインの恵莉子はコミュ力ゼロ・友達ゼロの喪女という設定なのですが、そのビジュアルは割と普通というか、むしろ赤面したり焦ったりする様子は結構カワイイっていう。


 つぶやいてた内容を見て、「こうしてもらったら嬉しいのか?ホレホレ?」的にエリーをからかう近江くんなんですが、エリーがバカが付くくらいに素直な反応を示すので、いつしかそのペースに近江くんも飲まれてしまうという。上にも書いたとおり、照れるエリーって結構かわいいんですよ。一生懸命に、そして隠すことなく自分の欲求を口にする彼女に、いつしかほだされちゃうっていう。学校のどんな女の子に対しても、心の奥では一歩距離を置いて、実にスマートに振舞う彼が、エリーの前でだけ余裕無く赤面したり、不機嫌になって思わず「ばーか」とか言っちゃったりする様子が実に可愛らしい。


二人は早々に両想い感は出るんですけれども、明確に付き合うと宣言はせず、なんとなく一緒にいるぐらいのところに1巻ラストでは着地。正直両方「好き」って感じが出てて“ちょろかわ”の極みなんですけど、それがニヤニヤを誘発してもうたまりません。互いに惚れた弱みを持っているような状態で、本当に微笑ましいんですよ。そしてその気持ちをすれ違いから素直に出せないっていうね。


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もう一つ推しておきたいのが、近江の承認力。格差カップルでは度々描かれるのですが、近江の場合は比較的ありのままのエリーを認めていて(妄想ツイートするところとか)、加えて変に正当化するような理屈っぽさもない所が素敵。


 1巻ラストのお祭りでのデートとか、個人的にかなり不覚だったんですけれども、泣いてしまいまして……。エリーは神社について、「隠れんぼしていて見つけてもらえなくて暗い思い出が残ってる」とか言っていたわけですよ。その後二人ははぐれてしまうんですけれども、お祭りが終わって人もいなくなっている中、ちゃんと諦めずに探して見つけてくれるっていう。これだけでトラウマの癒しなんですけれども、その決め手となったのが彼女の妄想ツイートというあたり、エリーのこと全部認めるし、過去の辛いことも上書きしてくれるっていう、もうこれ以上の承認ないでしょう。


 基本的にはノリの良いおバカなラブコメディで、笑いながら気楽に読むスタイル。リアルでTwitterで知らない女子に妄想日記垂れ流されてたらドン引きすると思うんですが、そこは少女マンガですから。また物語途中で出来る友達が、近江の事なんか全く興味なかったりするのもおあつらえ向き。とにかく甘々でちょろかわなカップルをニヤニヤしながら楽しみたいという方にはうってつけの物語かと思います。


【感想まとめ】
エリーも近江くんもどっちも可愛い。そもそも私は完璧に見えるヘタレ男子に弱くてですね。本作はドンピシャでした。オススメです。


作品DATA
■著者:藤もも
■出版社:講談社
■レーベル:KCデザート
■掲載誌:デザート
■既刊1巻


ためし読み