■事故で記憶を失くした映(みつ)。
彼氏・ヒデがいるのに、“前の映”が書いた「Aが好き」というメモを見つけてしまう。
身近でAがつくのは、幼なじみのあっちゃんか化学の赤池先生―――私が本当に好きなのは誰?




 星川ハチ先生によるマーガレット連載作です。単行本は通算2冊目で、早速巻数付きというのがすごいですね。では早速物語をご紹介しましょう。冒頭のあらましにもあるように、主人公の映は事故により記憶喪失になってしまいます。失った記憶は、言語、日常生活のあれこれ、今までした勉強…以外のこと全て。学校に復帰する前に、必死に人間関係を予習しました。全く覚えていないけれど、一コ上の幼馴染・黒川証に連れられ登校し、クラスメイトに気遣われつつ、彼氏のヒデと日々を送ります。そんな中部屋の片隅で見つけたのは、「やっぱり私はAが好き」というメモ。そのことが気になった映は、真相に迫ろうとするのですが……。


 「青山月子です!」が別冊マーガレットで連載されていましたが、記憶喪失モノが流行り始めているのでしょうか。あちらは記憶喪失にもめげずに人間関係を構築していくような温かみ重視の作品だとしたら、こちらはどちらかというと記憶を無くす前の真相に迫るミステリー重視な作品。鍵を握ると思しき人物は3人おり、それぞれ何かしらの真実を知っているようです。一人は恋人のヒデ、もう一人は幼馴染のあっちゃん、そして化学の先生であり、よく悩みを相談しに行っていたという赤池。


アンサー1
知りたいという欲求に素直に行動に移す。記憶を失くす前から、比較的前向きな性格だったようです。


 近しい男子が3人もいるって結構贅沢な状況だと思うんですけれども、切羽詰まっているからかそういった嬉しさみたいなものはあまり感じることはなく、恐る恐る真実に近づいていきます。それぞれに事情があるからなのか、洗いざらい吐きだしてくれるひとはおらず、少しずつ少しずつ引き出していく感じ。単純なミステリー作品であればその結果真実を見つけられればOKなのですが、本作の場合見つけ出そうとしているのは自分自身の心なわけです。真実を知り、もし記憶を戻したとしても、果たしてそれで恋愛的にはOKなのかという。記憶を失くして再度きっちり3人を見つめてみた結果、前とは違う選択肢を取る場合もあるわけですから、意外な形での結末を迎える可能性もありそうですね。


 記憶喪失&ミステリーなので着地点は明確、かつ主要人物も3人と、短期決戦の様相ですが、その通り2巻で完結の予定だそうです。謎解きが主眼だからなのか、トキメキ的な要素は控えめ。
 正直どの相手であっても1巻時点の感想からすると納得できるのですが、個人的には赤池先生は胡散臭すぎて、あっちゃんかヒデが良いかなぁとか。個人的にはヒデみたいなキャラが好きなんですが、この手の作品だとなかなか浮かばれなさそうな子でもあり、さて最終話で彼はどんな風になっているのやら・・・。



【感想まとめ】

物語としてはミステリーなので、完結してからでないと評価のしようが。ともあれマーガレットという土壌を考えるとこのアプローチは新鮮。しかも2冊目で挑戦してくるところには敬意を表したい所です。



作品DATA
■著者:星川ハチ
■出版社:集英社
■レーベル:マーガレットコミックス
■掲載誌:マーガレット
■既刊1巻



ためし読み