■碧のおじいちゃんが経営するアパートにひとりで引っ越してきた修平。碧に頼りっぱなしな一方で、何気ない碧の行動を誰よりもちゃんと気づいてくれる……。ひっそりと暮らす碧の毎日が、修平によって少しずつキラキラになっていく。




 「僕らはいつも」などを描かれている藤宮あゆ先生の新連載になります。安定の藤宮あゆ作品とでも言いましょうか、本作も中高生の恋をキラキラと描く青春ものとなっています。

 ヒロインの碧は、自分のことを「脇役キャラ」と自認する目立たない方の、普通の高校1年生。素敵な恋なんてものは選ばれた主人公にだけ訪れるもので、自分とは無縁の話……。そんな考えを持つ彼女の楽しみは、祖父が経営するアパートの一室を使わせてもらい、自分の気持ちを吐き出す観察日記をつけること。ところがある日、その部屋に向かうと一人の男の子がおり、観察日記を読まれているではないですか。新たにこのアパートで暮らすことになったという修平は、あろうことか碧のクラスに転校してきます。一人暮らしをするというのに、家事は苦手で寂しがり屋な修平は、何かと碧を頼ってきて…というお話。


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変なことを言いつつも自分を頼りにしてくれる、それが嬉しい。


 同居ものではないですが、敷地内にイケメンの転校生が住むことになるという、シチュエーションだけでごはん食べれそうなザ・少女マンガ的展開、素晴らしいです。修平はそのキャラクターと見た目から、すぐにクラスの中心的存在になります。一方の碧はクラスでは端っこで目立たぬまま。けれども修平は何かにつけて碧を頼ってくるんですよね。それが碧は嬉しくて、段々と彼を意識するように。けれども染みついた脇役根性から、その気持ちから目を逸らしがちになってしまうという、やきもき感のある序盤。


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別に普通の女の子なんですけれども、異様に脇役根性が強いのは、仲良くしている友達が超絶美少女であるから。学校でも話題になるぐらい可愛くて、けれどもめちゃくちゃ性格が良くて、なぜか碧と仲良し。周囲の男の子は決まってその子・万里菜ちゃんに視線を寄せ、中学の時碧が好きだった男の子も、当たり前のように彼女のことを好きになったという過去があるから、こと恋愛においては端から諦めムードなんですよね。物語は碧と修平、そしてこの万里菜ちゃんを交えた三角関係で進むと思われますが、性格の良い美少女に対して何も持たない碧はどう対抗するのでしょうか。万里菜ちゃんも割と性格が良さそうで、修平との関係や碧の気持ちに気づいたりといった要素が重なれば自ら身を引きそうではありますけれど果たして。


 「僕らはいつも」は異様に重たい方向に進んでいった記憶があるのですが、本作は適度に明るさを保って、青春らしくキラキラ爽やかに進んで欲しいという個人的な願望が。ただ高校生にして一人暮らしという修平くんの家庭事情を鑑みるに、2巻以降、色々と重たいネタが投入されそうな予感もしますね。ともあれ1巻はオーソドックスな恋愛ものとして好感触。今から続きが楽しみです。



【感想まとめ】

「僕らはいつも」を読んだときの感覚に近いものが。少女マンガ読んでるなぁと感じさせてくれる設定・展開でございます。



作品DATA
■著者:藤宮あゆ
■出版社:集英社
■レーベル:マーガレットコミックス
■掲載誌:マーガレット
■既刊1巻



ためし読み