おとよめ

女性向けマンガのレビューとか

この女性向けマンガがすごい!2015(完結作編)


あけましておめでとうございます。昨年は数もあんまり読んでいなかったのですが、今年は一応それなりに読めたかな、という印象。とはいえつまみぐいが多い性格で、最後まで読み終える作品がなかなか無いのは相変わらずでございました。というわけで毎年恒例のまとめ記事です。「おとなもこどももおねーさんも」を念頭に、2015年に完結を迎えた作品をピックアップしています。順番はあくまで目安です。リンク先は例年と異なりAmazonになっていますのでご注意を(移転&紹介記事書けていなかったため)。


ではではどうぞ……




1.やまもり三香「ひるなかの流星」(全12巻)

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……奔放な性格の田舎からの転校生・すずめの恋を描いた青春物語が今年ついに完結。ここ数年で一番と言っても過言ではないかませ犬キャラ・馬村がとにかく魅力的でした。クールにふるまいつつも、すずめのことを第一に考えているであろうことがありありと分かる行動や発言の数々にドキドキさせられっぱなしでしたよ!同じく今年完結を迎えたマーガレット系の恋愛モノである「アオハライド」や「日々蝶々」は若干尻すぼみな印象を残したのに対し、本作は最後までキッチリと駆け抜けられたんじゃないかと思います。噛ませ犬キャラがお好きという方は、これを読まない手はありませんよ!

■素晴らしいラストでした!:やまもり三香「ひるなかの流星」12巻(旧ブログ)



2.東村アキコ「かくかくしかじか」(全5巻)

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……自分自身がアラサーど真ん中になったからなのか、周りでは「東京タラレバ娘」が何かと話題ですが、東村アキコ作品で推したいのはこちらの方。東村アキコの九州時代の絵の先生との関係を描いた自叙伝的マンガ。1巻登場時の衝撃からすると思いのほか静かだった5巻は、先生とのエピソードではなく、むしろ作者さん自身の心情の吐きだしが中心となっていました。故人に対して抱く様々な後悔は、何もこの特殊な師弟関係でなくとも抱きがちな、誰しもが抱えるであろう感情のようにも思います。黙ったままで消化しても良いものを赤裸々に描く勇気にあっぱれ。東村アキコという漫画家のルーツを垣間見ることの出来る、珠玉の一作でした。

■描き続けること:東村アキコ「かくかくしかじか」5巻(旧ブログ)



3.弓きいろ/有川浩「図書館戦争 -LOVE&WAR-」(全15巻)

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……人気小説のコミカライズですが、1巻の発売から約8年、15巻目にしてついに完結を迎えました。ついぞ原作は読まず、むしろシネマライズは2作品とも観に行っちゃうというにわかですけれども、原作読まずともこれだけ楽しめるってのが本作の面白さの裏付けってことにはならないですかね?後半、恋愛関係が成立しだしてからは、「ハリウッド映画か!」というぐらいキス連発。読んでるこちらが恥ずかしくなってしまうくらいでした。サブタイトル にLOVEが入っていることからも分かる通り、恋愛要素がやや強め。あ、ちなみにシネマライズもよかったです。岡田准一さんと榮倉奈々さんというキャスティングもはまってますよね。

■「守りたい」想いと力は廻っていく:弓きいろ/有川浩「図書館戦争 LOVE&WAR」11巻(旧ブログ)



4.湯木のじん「青山月子です!」(全3巻)

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……事故で記憶喪失となってしまった女子高生が、過去の自分を演じようと奮闘するも空回り。そんな彼女に手を差し伸べた(捕まった?)男子・加賀 見くんとの触れ合いを描いた作品。なんだか最近やたらと記憶喪失ヒロインが増えている印象ですが、本作のヒロイン・青山月子はダウナー空回り系と 一風変わったキャラクターで印象的でした。前向きに、めげずに、けれども力感に欠け、時に暴走する……そんな彼女を支える加賀見くんが見せる包容力も素敵。物語は3巻であっさりと完結。微笑ましい二人の関係の「それから」を、もう少しだけ見てみたかったです。

■記憶喪失でも、君がいるから…。:湯木のじん「青山月子です!」1巻(旧ブログ)



5.高野苺「orange」(全5巻)

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……自殺をしてしまった友達を救うため、未来の自分から手紙が届くというSF要素のある物語。集英社で連載中止となり、一時は作品としての命が奪 われてしまったものの、関係者の尽力により他紙で復活を遂げた本作そのものが、奇しくも物語をなぞらえているというのは面白いところ。前半のワクワク感は言わずもがな。後半はちょいとクサすぎるようにも感じるのですが、人ひとりの命を救うためにはそれぐらいしなくてはならないのだという、作者さんの想いが感じられます。
 土屋太鳳さん主演で実写映画が絶賛上映中。元旦に観に行ってきましたが、おおむね原作に忠実に描かれており、2時間半という上映時間も相まってなかなかの見ごたえでした。となりで見ていた家族連れの年配の女性が泣いてたのが印象的でした。

■須和のつらさをしみじみ感じる:高野苺「orange」4巻(旧ブログ)



6.おざわゆき「あとかたの街」(全5巻)

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……第44回日本漫画家協会賞大賞受賞。太平洋戦争末期の昭和19年、あまり知られていない、名古屋大空襲の前後を一人の女学生の目を通して描いた物語。作者さんの親の実体験を元に構成されているため、絵柄は漫画らしくデフォルメされつつも、その描写はリアルで時に生々しさすら感じられます。当たり前 ながら全く明るくはないですが、こういった作品を通して、戦時下で人々がどう感じどう生きていたのかを知るのは大切なことなんだと思います。月並みな言葉ですが、読み終わったときに色々と考えさせられる一作。

■一人の少女が見た“名古屋大空襲”:おざわゆき「あとかたの街」1巻(旧ブログ)



7.目黒あむ「ハニー」(全8巻)

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……別冊マーガレットの連載の中でも際立って甘い印象のあった本作も先日完結しましたよっと。ごくごくフツーの気弱な女の子が、助けた赤髪の不良に花束渡されて、怖くて断ることもできずにお付き合いを始めるというストーリー。とにかくピュアな二人の初々しいやりとりが微笑ましい本作、色々とメインの二人の関係を脅かさんとする事件はあれこれ起きるのですが、あまりに二人が盤石すぎてそこまでハラハラしないんですよね。その結果、最終巻は二人の話というよりは、脇役たちの恋模様や兄姉の絆にフォーカスが当てられたりしていました。そんなサイドストーリーも含め、読み終わった後はいつも洋菓子を食べたような気持ちにさせられるわけですが、それこそが本作の魅力。ひときわ純粋でひときわ不器用な男女が繰り広げる、初々しくニヤニヤしい、糖度の高い恋のあれこれを存分に味わってみてください。

■恋って理屈じゃないしね:目黒あむ「ハニー」4巻(旧ブログ)



8.こうち楓「LOVE SO LIFE」(全17巻)

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……こちらも17巻にして完結。施設で育った少女・詩春がベビーシッターとして、人気アナウンサーである松永と、その甥っ子と姪っ子の3人と、心通わせてゆく疑似家族的なハートウォーミングストーリー。
純粋で恋愛に疎い詩春が、その恋を自覚し成就させるまでにはやはり時間がかかりましたが、そんなゆっくりな歩みをきちんと待ち受け入れてくれるだけのキャラクターたちや、物語の雰囲気がそこにはありました。本作に流れる、優しくふんわりとした空気感が大好きでした。恋愛よりも家族描写が多めですので、ファミリーものや子供が登場する作品が好きな方にもオススメしたい一作です。

■カッコイイ告白ではなかったけれど:こうち楓「LOVE SO LIFE」12巻(旧ブログ)



9.高野雀「さよならガールフレンド」(全1巻)

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……今年は1巻完結もので印象に残る作品が少なかった感がありますが、そんな中でも存在感を放っていたのが本作でした。独特の風合いで描く、個性豊かな短編6編が収録されています。中でもひときわ存在感を放つのが、表題作の「さよならガールフレンド」。地方都市で生きる者がなんとなく抱えているであろう「行き詰まり(息詰まり)感」に包まれ鬱屈とした日々を送る女子高生・ちほが、ひょんなことから町中の男とやっていると噂される“ビッチ先輩”と出会い、自分の進路や生き方について考えていくという物語。大きな感動や美しい物語が落とし込まれているわけではありませんが、読み終わったとき確実に、自分の中に何か残るものがあるはずです。

■私が男だったら先輩とは絶対やりません:高野雀「さよならガールフレンド」(旧ブログ)



10.かわい千草「101人目のアリス」(全8巻)

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……「セイシュンノート」と迷ったのですが、こちらに。大体1年に1巻というゆっくりなペースでようやく完結しました。エリート揃いの名門音楽学校に、田舎育ちで音楽の基礎もろくに身についていない(けれども素質は人一倍ある)少年・アリスが入学し、バイオリンに友情にと奮闘・成長を繰り広げる青春ストーリー。天才の生き様を描いた成長譚というよりは、様々な性格の少年少女たちが音楽という共通のツールをもとに想いをやり取りする青春群像で、比較的気楽に楽しめる作品です。音楽を扱った大作たちと並べられるとちょいと見劣りするかもしれませんが、10巻前後で良くまとまった良作かと。

■アリスがこんなイイ子なわけがない:かわい千草「101人目のアリス」6巻(旧ブログ)



+α 深水チロリ「春待ヴァルツ」(1巻)

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……1巻刊行後、掲載誌のスピカが休刊となり、残念ながら続きを読むことが出来なくなってしまいました。先にご紹介した「orange」とは対照的ですね。ちょいと百合っぽさを含みながら、先生と生徒との恋愛なんてものまでも落とし込まれた欲張りなお話。淡く繊細な雰囲気がとにかく抜群で、少女の儚さや気難しさを存分に楽しむことができます。これが未完のまま終えてしまうのは本当にもったいない……!いつか続きが出てくれることを願って、こちらでご紹介させて頂きました。

■今カノと元カレの間で揺れる少女の心:深水チロリ「春待ヴァルツ」1巻(旧ブログ)



以上、10作品+1作品でした。継続作品編も近日公開予定でございます。お時間がありましたら、そちらもぜひどうぞ。ではでは、今年もよろしくお願い致します。

1 Comment

  1. 毎年楽しみにしています。
    青山月子が上位に入っていて嬉しいです!私はすごく好きだったのですが、なんとなく打ち切りっぽかったので、、、

    もう読まれているかもしれませんが、やまがたさとみ『うそつきラブレター』(上下巻)がよかったので、ぜひ。

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