■人生初の痔になり通院中のマコちゃんは、「働きたくない」が口癖の26歳・独身――。母親に囚われの身のナチュラルヤリチン・ただし!学生時代の恩師である白髪のナイスガイ・小林先生!犬のように寄ってくる乙女系男子・ハルオ!天ぷら屋の跡取りの純粋無垢ダンサー・リク!街コンで一度はスルーした神経質男・吉田!数々の男と恋愛をしては、男性不信に陥る「恋のアリ地獄スパイラル」の中、マコちゃんは本気で運命の王子様を探す!!




 ITANウェブでの連載作だという、「マコちゃん、さ」。幅広い作風の作品が掲載されているITANですが、中でも本作は20代中盤の女子が主人公の日常ベースのお話と、かなり毛色が異なる作品と言えるかもしれません。表紙のこの絶妙なブスさ加減がまず素晴らしいわけですが、このビジュアルとあらすじ紹介からして「勘違い系ダメ女子を面白おかしく描いた話かな・・・・・・」なんて思って読んでみたら、全然そんなことなかったです。「ダメ男を好いてしまう」という点に関して言えばダメな部分と言えるかもしれませんが、彼女自身は自分の置かれた状況やランクというものをキチンと把握した上で、恋を重ねている、ある種至極真っ当な独身女性だったりするのです。まあ全体的にだらしないんですけど。そんなちょっとゆるめのマコちゃんの、めくりめく恋模様を切り取ってゆきます。




マコちゃん、さ0001
マコちゃん。この絶妙なブサかわ感が凄い。別に自分の人生を高望みしているわけでもなく、自己評価を過大にしているわけでもありません。ただ幸せになりたい、そんな女子。




 痔になったというのはとある男子と出会う物語の導入に過ぎないのですが、まあ「若くして痔になってしまう」という設定から醸し出されるツイていない感じは、実に良く彼女の不運さを表しているような感じが致します。見た感じの印象では、割とマイペースな性格で、情にほだされやすい一面があり、けっこうオトボケでドジる。服装は元々デザイナー志望ということもあってかそれなりにハデめ。身の周りにもいると思うのですが、なんとなく「やれそう」「落としやすそう」という雰囲気を醸し出すような子と言ったら良いでしょうか。見た目的にもとびきりの美人というわけでもないので、結果的にダメな男が集まって来やすいという悪循環です。情に流されやすい一面があるので、そんなダメ男を許し愛してしまうんですね。半分は彼女自身が呼び込んだ不幸だとも思えるのですが、にしてもちょっと不憫だなぁとも。読み終わったときに「マコちゃんに幸せになってもらいたい…」と心から願ってしまった自分がいました。

 

 別に大きな感動とかがあるわけではないんですが、このマコちゃんという実に人間臭いヒロインには魅力を感じずにはいられません。エピソードも、登場する相手役の男も、どうしようもないやつが結構いたりするわけですよ。でもそんな人たちのくだらなくて笑えるやり取りの中に、小さな感動があったりするから面白い。全然キャラクターや話は異なるのですが、面白さのベクトルは「俺はまだ本気出してないだけ」に近いところがあるようにも感じました。




マコちゃん、さ0002
定職に就いていないのに、やたら出会いはある(※ただしダメ男だけです)。




 様々な人と巡り合い、別れ、傷心を重ねた先に何があるのか、マコちゃんの恋路を見守り続けたいと思います。なんて結局、巡り巡って実家でゴロゴロしながらパソコンやったりしてるかもしれないんですけれどね。それでもなお、心が完全に折れることはなく、なんだかんだ前を向いて生きている姿を見せてさえくれれば、それで良いのです。



【感想まとめ】
なんとなく身近にいそうな、マコちゃんがどうしようもなく愛おしい作品。いろいろな意味で目が離せないキャラクターですね。



作品DATA
■著者:たまいずみ
■出版社:講談社
■レーベル:KC ITAN
■掲載誌:ITAN
■既刊1巻



ためし読み