■幸野市役所納税課に勤める百目鬼華子は、クールな見かけとは裏腹に、お客の前で机にペンを突き刺すなど予測不能な行動も多いマイペースな新人職員。脱力系チャラ男公務員・饗庭蒼一郎とペアを組み、ワケあり滞納者と毎日本音で向かい合う!個性派納税課職員が市民に寄り添い奮闘する、税金お仕事マンガ第1巻!




 納税課職員の日常を描いた公務員マンガ……とだけ言えば事足りるような、実にわかりやすいテーマの作品です。お仕事マンガということで、KISSかと思いきや、BELOVEでの連載作になります。


 物語の舞台となるのは、とある市役所の納税課。ここで働く新人の百目鬼華子が、物語の主人公です。黒髪ロングが素敵なクールビューティで、その態度は常に落ち着き払っており、どこか新人離れしたものを感じさせます。媚びるような態度も見せず、むしろ事務的すぎてお客さんからの反感を買うこともある、異端児的な”孤高の新人”とでも言いましょうか。そんな彼女の業務の一つが、税金を滞納している人の元へ向かい支払いをお願いする、回収業務。滞納者だって、好きで税金を滞納しているわけではありません。様々な事情を抱える滞納者と向き合い、税金のプロならではの方法を提案していきます。




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真面目だけど変わり者という印象の百目鬼華子。見るからにガードが固そうで、男っ気はゼロ。これは恋愛に発展することはなさそうな……。案の定、作中での恋愛要素はナシ。




 1話ごとに1事案で、基本的に読みきり形式で物語は進んでいきます。先にも書いたとおり、一口に税金滞納者と言ってもその内容は様々。税金でも色々な種類がありますから、ごくごく普通の給与所得者もいれば、経営者もいたりします。また滞納者の態度についても大きく二つに分けられて、徴税吏員に対して敵対的な態度を見せる人と、納税に対して前向きで柔和な態度で接してくる人がいます。そしてどんな滞納者に対しても、決して態度を変えること無くプロフェッショナルとして税金徴収するのが、百目鬼さん。あくまでも納税してもらうことを前提に、その滞納者の状況を考え、様々な控除を教えてあげたり、親類に頼ることを説得してみたりと、一歩踏み込んだお仕事をしていきます。


 1話読み切りなので、最後には必ず一件落着するのですが、その時の決め台詞が「公務員、舐めないでくださいね」。税金にかかる専門的な話もあるにはあるも、半分以上は滞納者の生活に絡んだお話であるため、そこまで堅苦しい内容ではありません。先の水戸黄門的決め台詞も相まって、ドラマとかになったら割りとしっくり来そうです。あくまで社会派なテーマなんで、NHK-BSの30分枠とかでやってても全然違和感無しです。


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百目鬼の先輩であり、一緒に行動を共にするのが、チャラメガネの饗庭。幾人もの女性を落としてきたであろう、仕事のできるプレイボーイという感じの彼。これまで軽く新人を手なづけてきたものの、全く自分に興味を示すことがない百目鬼には苦戦をしている模様です。互いに相手になびかないタイプであるため、相容れなくともその距離感や良し。百目鬼の真っ直ぐさと、饗庭の世渡り上手っぷりが相まって、良いコンビとして描かれています。また物語の背景として、百目鬼自身が幼いころに親が税金滞納で差し押さえされているという経験があるなど、話が進むとともに、こちらでも膨らみを見せていくかもしれません。



【感想まとめ】

スカッと気持ち良読めるお仕事マンガです。ここに恋愛要素や所帯じみた笑いなんかが入って、「そこをなんとか」的になってきたらまた面白そうなのですが、ヒロインのキャラが違いすぎるか。



作品DATA
■著者:慎結
■出版社:講談社
■レーベル:KC BELOVE
■掲載誌:BELOVE
■既刊1巻



ためし読み