■前世でうっかり僧侶になり、「一生童貞」を誓ってしまった乃木篤朗!輪廻、それは運命を繰り返すことなのか?現世でも、漫画家という絶望的童貞クラスタに産まれてしまった乃木は、「童貞でもベッドシーンは描ける!」の信念の元、少年GUMPで新連載を開始する!ところが、アシスタントにやってきたのが、巨乳の女・花撫!机に胸を乗せ、キシキシ胸を揺らして作業するカノジョの姿に乃木は衝撃を受ける!「童貞を誇らしく思っていたが、僕はバカだった。本物を知らなければ、本物の絵など描けない……!!」漫画への崇高な思いから胸を触ることを決意する乃木!そこへ、やはり前世からの因縁のゲイ、アキラまで参戦し……?童貞と巨乳とゲイが一つ屋根の下、童貞は〆切までに漫画を描くことができるのか!読者諸君に告ぐ!これは少女漫画である!繰り返す!これは少女漫画である!!





あらまし紹介は冒頭の通りです。ここまで長い作品紹介見たことねーよ。なお冒頭から1巻ラストまで余すこと無くストーリーが書かれているので、正直「え、これ1巻読む必要無くね?」ぐらいのレベルです。まあ冒頭の紹介文からも、いかにこの作品が異色かということが伝わってくるかと思います。正直なところ、いい年して童貞のヒーローというのは、昨今の少女漫画(女性向け漫画)においてはさほど珍しくもなく、むしろトレンドとすら言えるかもしれません。このマンガがすごい!Webにもそのネタで寄稿していたりしますのでよければ… → 「アラサー童貞との恋愛」マンガ ベスト3 「オトコでも読める少女マンガ」いづきさん 【目ききに聞く】。主人公の乃木篤朗も、まさに童貞ヒーローのテンプレのようなキャラ(黒髪メガネで仕事は出来るがちょっと面倒な性格)。それでもなお本作が異色なのは、「主人公が童貞」という以外にも、こんな要素があるからでございます。

まず相手役のヒロインが超絶巨乳なんですけれども、1巻通してほぼおっぱいの事を考え続けるという謎のストーリー立て。童貞からしたら、いきなり巨乳を目の当たりにして平常心でいられるわけがありません。原稿を仕上げなければならないのに、巨乳に気を取られて原稿が進まないという負のスパイラル。


それとあらまし紹介からも分かる通り、輪廻によって主要メンバー達は転生してきているのですが、主人公の乃木以外は記憶を保持しているという状況。巨乳の女・花撫と、乃木の親友であるアキラは、いずれも前世で乃木に想いを寄せており、その記憶を引きずりながら現在も同じような想いを抱え続けています。いずれも前世では想いを寄せながらも成就せず、それゆえに懸ける思いも人一倍。まあ何が気になるって、同性愛を否定する意図は全く無いのですが、前世の想いを引きずって輪廻転生してきてもなお男色に走るってのは、なかなか業が深いなと思うわけです。本作は童貞の乃木の苦悩を描くエロラブコメなわけですが、むしろアキラを主人公に据えた方が色々とドラマティックなんじゃねーかとちょっと思ってみたり。


ぼくの輪廻20160904
前世というのが、お坊さんと、そのお坊さんに匿われた女子という関係で、前世の回想(乃木の漫画作品という形で描かれます)がなかなかシュール。こんなシーンが頻発するのですが、そのたびに「あれ、これなんの作品読んでるんだっけ……」と思ってしまうという。


ベースはハイテンションでおくるエロラブコメなんですけれども、その中に輪廻転生の要素を落とし込み、さらに前世の回想を乃木の漫画作品として描き出すという、冷静に考えると結構テクニカルなことをやっていることに気付かされます。でも読んでいるとそんなこと全く感じさせないぐらいにバカバカしいので、そういう意味ではさすがと言ったところでしょうか。なおおっぱいはこれでもかというほど出てきますが、肝心の乳首は上手いこと隠されてます。敢えてそこを隠す意図もよくわからないのですが、一応少年誌掲載という設定があるからですかね。


さて、ここまで書いた通り、全く少女漫画で無い内容に驚きました。どちらかというと少年漫画とか青年漫画とかの方がしっくりくるぐらい。ただ絵柄は少女漫画的でいながらやや劇画に寄ったタッチで、男性側にリーチしてくる感じもないんですよね。正直どの層を狙っているのか全く分からず(てか何を描きたいのかもよくわからない)、人気とか大丈夫なんかな…と心配になるぐらいなんですけれども、個人的にはこのチャレンジでどこまで突っ走れるのか、ただ見守るのみ。いやはや色々な意味で凄い作品が出てきました。



【感想まとめ】
少女漫画誌においては極めてチャレンジングな勢いMAXの転生アホエロコメ(ホモ要素もあるよ)。正直どう捉えて良いのか、自分の中でも持て余している感がありますが、まあ読めばとりあえずどんな作品か分かるかと思いますので、試し読みをどうぞ。一見の価値アリですが、作品としておすすめしたいかというと「いや、それは…」という(笑)



作品DATA
■著者:嶋木あこ
■出版社:小学館
■レーベル:flowerコミックス
■掲載誌:Cheese!
■既刊1巻



ためし読み