■一年前の入学式での出会い以来、蒔田恵太は、大原たまきになぜか拒絶され、避けられ続ける日々。二年生で同じクラスになったことをきっかけに、意を決してたまきに理由を問い詰める恵太だったが、彼女の口から飛び出したのは予想外すぎる告白だった……。





 「ヲタクに恋は難しい」など連載しているComicPOOLからの新作です。物語の主人公は、人懐っこい性格が魅力の男の子・蒔田恵太。誰とでも仲良く出来る彼ですが、唯一苦手としているのが同じ学年の大原たまき。入学式の時、彼女の落とし物を拾って手渡してあげただけなのに、いきなり突き飛ばされたかと思ったら、恐ろしい形相で「今後一切、私に話しかけないで」と宣言されてしまいます。以来、彼女から何かにつけてキツく当たられる日々……。ところが事もあろうに、2年生のクラス替えで、恵太とたまきは同じクラスに。相変わらず彼女の態度はキツく、空気は最悪。このままでは納得出来ないと、恵太は意を決してその理由をしつこくたまきに尋ねるのですが、その返答は思わぬものでした。…「私と蒔田君、赤い糸で繋がってるの!」


 この発言だけであればヤバイ電波少女。たまきも空気を察して「嘘」として切り上げますが、そこは人懐っこい恵太の本領発揮。その後も彼女とやりとりをするうちに、赤い糸の存在を確信するようになっていきます。



赤い糸が見えるのはたまきだけ。自分自身だけでなく、他の人の赤い糸も見えています。これまで他人の赤い糸を見て、繋がった2人がくっつく傾向が極めて高いことを察していた彼女。高校の入学式の時に、突如として現れた赤い糸とその相手・恵太を目の当たりにして、意識的に避けていたのでした。


 けれどもそんな彼女の頑張りも虚しく、二人は同じクラスになってしまいます。これも実は赤い糸の仕業。赤い糸で結ばれた二人は、事あるごとに近くになるよう、赤い糸の意志(?)によって導かれてしまうのです。席替えをすれば近くになるし、委員会だって同じになるし、偶然鉢合わせたりも一度や二度ではありません。


 予め運命が決められているような感覚が嫌で、たまきは拒否をしていますが、別に恵太のことが嫌いというわけではありません。というか嫌いになれるほど、彼のことを知らないのです。一方の恵太も、そういう子を目の前に放っておける性格の子ではないので、なんとな折り合いをつけて近くにいれるよう「友達になろう」と提案。これがその後、妨げになってきそうな感じがビンビンして良いですよねぇ(ニヤニヤ)



普段はツンツンな態度のたまきですが、その内面は普通の年頃の女の子ですから、照れちゃったりする様子もめちゃめちゃ可愛いです。このシーンとかもう、ニヤニヤが止まらなかったです。こっちが好きになっちゃいそうな勢いです(我ながらキモい発言)


 何かにつけて都合の良い偶然が起こっても、それは糸のせいですから……という口実が出来ると考えると、物語でのイベントの起こし方は無限大。互いに距離感を保ちつつ、迷惑かけないようにそっと接し合おうとしているのに、そうもいかない状況に陥ってわたわたドキドキしてしまう…そんなニヤニヤ止まらぬ展開が、これでもかと詰め込まれています。可愛らしい青春の匂い立つラブコメディがお好きな方、この作品を読んでおけばまず間違いないです。オススメ。



【感想まとめ】
読みやすいしニヤニヤ要素高いしで、満足感の高い1冊でした。願わくばもうちょっとボリュームがあってくれると嬉しいですが、それはこの作品に限らずこのレーベル共通のことですから、言っても仕方のないところですね。2巻が早く読みたい、素敵な作品が登場しました。



作品DATA
■著者:ひのなつ海
■出版社:一迅社
■レーベル:-
■掲載誌:comic POOL
■既刊1巻



ためし読み