■男子高校生・花山千恵が一目惚れした相手は、同級生の姫野虎次郎(♂)。あそこにバナナがついていたとしても、可愛かったら関係ない!と、様々なアプローチを仕掛ける花山は、もはや変態ストーカー!果たして姫野はこの変態(花山)から、逃げ切れるのか……!?超S級美少年・姫野と、ちょっと頭が残念なイケメン・花山の、爆笑必至、性別勘違い青春コメディ!





  またおバカなコメディ作品が登場しました。週末にまとめてマンガを読むことが多いのですが、こう何も考えずに読むことが出来るマンガというのが、集中してマンガを読み続けている中では結構ありがたかったりするわけです。年末に降り立った、一服の清涼剤とでも言いましょうか。いや、全然清涼ではないんですけど……。


 物語の主人公・花山千恵は、ある日学校で超絶美少女を発見し一目惚れ。すかさず近づいてみると、なんとその子・姫野虎次郎は学ランを着ているではありませんか。「え、ボーイッシュな女の子だよね?」と確認するも、いやちんこ付いてますからと、触って確認までさせてもらいましたとさ。けれど一度惚れてしまったものは仕方ありません。以来、半ばストーカーのように姫野の元に通い、なんとかして距離を縮めようと試みるのでした。しかしその勢いが凄まじい&おぞましいもので、姫野は引き気味なのですが、それでもなお花山の攻勢はとどまらず…というお話。





この勢い。




 花山は姫野のことを女子として愛しているのかというと、正直だんだんとブレてきてよくわからない感じになってきます。付き合いたいとかヤリたいとかそういうのじゃなく、物語途中からは「ファンクラブの会長」として、自分のして欲しい格好・行動を取ってもらおうと躍起になる感じです。その勢いが尋常でなく、まあちょっと怖いレベル。序盤に放たれる「あそこまで可愛かったらそれはもう、おっぱいが無くてちんこがあるボーイッシュな女の子だって…」というのは、頭のおかしい名言だと思います。その後も迷言・珍言の数々が飛び出してくるのですが、よくこの勢いをキープ出来るなと感心してしまいます。コメディのスタイルとしては、途切れること無く繰り出される彼のネタに対して、姫野が冷静にツッコミ続けるというのがベースとなります。


 この手の作品にありがちなのですが、脇役たちも個性的。明らかに生徒会長的な見た目をしているのにも関わらず、学年最下位という頭の悪さを誇る、城島。自由にエグいいたずらを笑顔でし続ける虎次郎の兄。そして見た目は超絶可愛いのに、写真写りが悪く、写メるとゴリラが映り込む虎次郎の妹と、やたらごちゃごちゃしています。そんな中で唯一の常識人が、虎次郎の幼馴染である倉科。姫野と共に、ツッコミ側に回ります。





作中では花山が、姫野に「こんな格好をして欲しい!」と様々な衣装をプレゼントするのですが、当然姫野はそれを拒否して着てはくれません。ただ各話の扉絵は、その衣装を着た姫野が描かれているというご褒美仕様で、それがなかなかあざとかわいいのですよ。色々なバリエーションがあって、それも結構楽しみだったり。花山の気持ちもわからないでもありません。




 ネタはとにかく下らないものだらけなのですが、ページに対するその密度と勢いの良さはさすが。色モノキャラを配して、臆せず下ネタを投下してくるあたりなど、意識低い系の極みみたいな感じなのですが、「いやでもなんかここまでやるんならむしろ意識高い系なんじゃないの?」という感覚になるから不思議です。いやでもやっぱり意識は低いな、うん。そうでないと困る。



【感想まとめ】
表紙こんなんですが、エロい要素は一切ないです。ただアホアホした感じが永遠続くという(素晴らしい)。どうしても後半勢いが落ちてきがちな中、本作は最初から最後まで走り抜けており、序盤のテンションを保ったまま読み終えることが出来るのが良いところ。それって何気に凄いことだと思うのです。



作品DATA
■著者:さっちゃん
■出版社:一迅社
■レーベル:ゼロサムコミックス
■掲載誌:ゼロサムオンライン
■全1巻



ためし読み