■小さい頃から不思議な存在が少し見えてしまう、百瀬桃。普通に穏やかに高校生活を送るはずが…登校初日、ハリネズミを拾ってしまった桃の前に、烏帽子姿の美青年が突然現れて……!?





 「花ざかりの君たちへ」の中条比紗也先生の新連載です。冒頭のあらまし紹介ではよくわからないかと思うんですが、本当にそのまんまなんです。小さい頃から霊感体質だった主人公・百瀬桃。普通の高校生活に憧れ、”不思議な存在”が少ない学校に入学をしたつもりが、試験の時とは異なり、そこにはうじゃうじゃ……。別に攻撃してくるわけではないのですが、イタズラされたり、見えていることで不都合なことが多く、あまり良く思っていません。そんな中、道端でハリネズミを拾い、成り行きで家で飼うことになるのですが、ある日そのハリネズミが烏帽子姿の青年へと姿を変えます。それだけでも驚きだったのに、さらにその青年から驚きの言葉が……「あなたは桃太郎の生まれ変わりです」。


 先日、一寸法師の生まれ変わりの話をご紹介したばかりなのですが、同タイミングで今度は桃太郎の生まれ変わりという。流行ってるんですかね…?とはいえおとぎ話をベースとした転生ものって割りと定番なので、こういうことがあっても全然不思議ではないのですが。





ハリネズミはこんな感じの可愛らしい姿。桃もこの姿に一発KO。




 桃太郎の生まれ変わりということは、当然鬼退治をするわけですよ。かつて退治された時に鬼が言い放った呪いにより、転生してもなお桃太郎に敵討ちしようとしているという。そしてここに来て、その動きが活発化しているというのです。ハリネズミと烏帽子の青年の正体は、かつて桃太郎の刀だった「波璃丸」。普段はハリネズミの姿をしていますが、力を使うと人間の姿になれるのです。


 桃太郎ですから、当然のことながら犬・猿・キジをお供にするわけですが、お話としてはそれが誰か探すところから始まるという。もちろん1巻にして「あ、たぶんこの子達だろうな」というあたりはつくわけですが、核心にはせまらず。このあたりは実績十分のベテラン漫画家さんのなせる技というところでしょうか。こうして振り返ってみると結構無茶苦茶な設定・展開なんですが、普通に納得してスッと読めてしまうんですよね。何一つ核心にせまっていないのに、普通に面白いっていう。





少女マンガなので気になるのは俄然恋愛方面なのですが、こちらも大きな動きは今のところ無し。一応候補として、藍原くんという正統派イケメンのクラスメイトがおり、ポジション・スペック的にも筆頭という感じなのですが、この子もなんとなくお供の一人っぽいんですよねぇ。




 そして表紙を見る限りでは、描かれているのはむしろ波璃丸の方。確かに刀がパートナーだったことを考えると、そっちとくっつく方が自然ではあるのですが、こちらも家来然としすぎてて何とも。大穴として鬼とかどうですかね(適当)



【感想まとめ】
 「花ざかりの君たちへ」ではイケメンパラダイスでしたが、こちらもお供が3人おりますゆえ、規模は縮小されども一応ハーレム状態にはなりそうです。全く毛色の違う話なので比べて良いものかはよくわかりませんが。ともあれ普通に読ませてくる、安定のファンタジー作品です。



作品DATA
■著者:中条比紗也
■出版社:白泉社
■レーベル:花とゆめコミックス
■掲載誌:別冊花とゆめ
■既刊1巻



ためし読み