■親の転勤により、単身で東京から親戚のいる田舎に移り住むことになった、女子高生の八重。彼女はアパートの裏手にある神社で、超イケメンの神職・緒田と出会う。穏やかで親切な緒田に惹かれていく八重だが……彼からいきなりキスをされてしまい!?





 榎木りか先生の新連載です。榎木りか先生の新作を紹介するたびに言ってるような気がしますが、まあ毎回毎回ヒロインがめちゃ可愛いという。今回も安定の可愛さ。これまでは明るい髪色のヒロインでしたが、今回はちょっと趣向を変えてしっとり黒髪系のヒロインです。


 マンガでよくある親の海外赴任により、祖父が管理するアパートで一人暮らしをすることになった八重。アパートは神社の裏手にあり、そこのイケメン神職・緒田は、アパートのお隣さん。ひょんなことから神社でバイトをすることになった八重は、仕事での失敗や、一人暮らしの不安、友達と離れた寂しさが重なり、一気に気持ちが落ちてしまいます。そんな彼女に緒田はやさしく慰めてくれたのでした。「優しくて心がキレイな人…」と感動し、なんでも恩返ししますと言ったところ、緒田は優しく微笑んだまま不意にキスをしてきて……というお話。





優男っぽく見せて、その実めちゃくちゃ不敵でSっ気たっぷりな男子でしたというオチ。神職という崇高な立場にありながら、お隣に住む一人暮らしの女子高生にちょっかいをかけて楽しむという、なかなかアウトな相手役です。キスをしてきた理由を尋ねたらこの回答。いやぁクズいです。




 優しい物腰で接してくるのですが、とにかくのらりくらりと押し込むのが上手い。八重も抵抗こそするのですが、手のひらの上で転がされて、結局は崩されちゃうというのが一つのパターンです。意地悪と優しさを使い分けるそのバランス感が絶妙で、ギリギリ嫌いにならないところでちゃんと引き下がって、今度はめちゃめちゃ親切に優しくしてガッチリ心をつかむという。でもって、本人の真意は掴めないという、めちゃめちゃ攻略難易度高そうな男子なわけですよ。


 そんな緒田に翻弄される八重は、なんていうかとっても不器用な女の子という感じ。一人暮らしを意気揚々と始めるのですが、生活力は皆無で、料理なんて酷いものです。気持ち的にも全然一人暮らしが大丈夫というタイプでなく、友達が恋しくなって気落ちしたりと、ちょいちょい弱いところを見せがち。そんな中で、生活面でも精神面でも、緒田が知らず知らずのうちに支えになっていくのでした。


 キスこそすれど、二人の関係をどう表してよいのかはよくわからないという状況が続きます。付き合っていない割には、なんだかやたらと身体接触が多い(キスに限らず)、けれど付き合っているとは言ってないし、そこまで甘い雰囲気もない…。立場的な問題もあるのでしょうが、とにかくはっきりとしない関係のままに物語は進んでいきます。この曖昧さがあるからこそ、常に甘い雰囲気にならず、時にすれ違いやぶつかり合いから、苦味のある状況になったり。とはいえ結局それも、その後の甘さを際立たせる前段になるわけですが。


 見所はとにかくその身体接触の多さと、それによるドキドキ感。単刀直入に言うと、めちゃエロいです。意地悪なお兄さんに身体触られて、赤面しながらあたふたする女子って、それもうただのエロ漫画じゃないですか(歓喜)。描写的にも明らかにそっちを狙っているシーンがちょこちょこと織り込まれており、そんなドキドキシチュエーションを楽しみましょうというスタンスの作品と言えるでしょう。





このシーンだって、エロ以外でどう捉えろと?実際は別にエロいことしてるわけではないです。




 一方で、エロいんですけど生々しさはなく、きちんと可愛さは保っているのがすごいところ。設定だけから見れば完全に女性向けなんですけれど、ヒロインの可愛さといろいろエロエロやられちゃう様子だけで、一定数の男性からも支持を受けそうな感じもします。何はともあれエロいのは良いことです。2巻もこの調子でいってもらいたいものですね。



【感想まとめ】
八重さんのヒロイン力に持ってかれた感。榎木りか先生のヒロインはどれもみなかわいいですが、その可愛さが今までで一番活きていると思います!



作品DATA
■著者:榎木りか
■出版社:KADOKAWA
■レーベル:シルフコミックス
■掲載誌:シルフ
■既刊1巻



ためし読み