■タマは10年間、片想いしてた幼なじみのチカくんとつきあえることに!HAPPYモード全開!!かと思いきや、チカくんの入ってる剣道部は恋愛禁止!もしつきあってることがみんなにバレたら「即刻別れる」と言われてしまい……!?ツンデレメガネ×一途あまかわ女子のナイショのきゅん恋、スタートです!





 宇佐美真紀先生の新連載です。「ココロボタン」を思い出すような、黒髪男子とふわふわ女子の組合せ。実際、甘い作品に仕上がっていました。


 主人公のタマは、幼なじみのチカくんに10年間片想いしています。高校生にもなったので、チカくん意を決して告白をするも、あっさり「無理」とのお返事が。それもそのはず、チカくんが所属する剣道部は、男女交際禁止なのです。それでも諦めきれないと食い下がるタマを前に、チカくんも折れ「絶対に誰にもバラさないこと」を約束に、おつきあいを始めるのでした。長年の夢が叶ったことに加えて、”秘密の恋”という響きにニヤニヤが止まらないタマでしたが、バレてはイケないというのは意外と大変で……というお話。





タマに押し負けて付き合ったみたいな構図ですが、チカくんは振り回されつつも迷惑しているという感は無く、タマは放っておけない大事な存在という認識。なんなら自分を頼ってくれるところが可愛いとか思ったりしています。勉強も出来るし部活にも真面目に打ち込むなど、絵に描いたような優等生で、実に真面目で頼りがいのある性格です。




 一方のタマは、恋に恋するちょっとアホっぽいゆるふわ女子で、これまた見た目通りという感じ。深く考えないところが危なっかしくも、めちゃめちゃ素直で一途だからなんか可愛いっていう。この系統のキャラクターは実に宇佐美真紀先生らしく、当たり前っちゃ当たり前ですが「宇佐美真紀先生の作品読んでるぞ!」と実感させてくれます。嬉しい時はとにかく喜んで、落ち込む時は落ち込んで、実に感情の浮き沈みがわかりやすい、犬っぽいヒロインです。関係をおおっぴらに出来ないからこそ生まれるあれこれを中心に物語が描かれるのですが、そんな中で見せるタマの心情描写というのが大きな見所と言えるでしょう。





チカくんのベッドにダイブして匂いをスーハーするタマ。想いが暴走しすぎてちょっとあぶない感じにすら…。




 宇佐美真紀作品というと、「ココロボタン」の古閑くんや、「夕暮れライト」のお兄ちゃんなど、ニッコリ優しくSっ気たっぷりなキャラクターが登場し、無垢なヒロインとの対比・掛け合いが良いスパイスとなっていたのですが、今作のチカくんはそれとは正反対の真面目君であり、またその他にそのようなキャラは登場していません。今作では、チカくんの真面目さとツンツンっぷり、そしてバレてはいけないという制約がそれに置き換わっているワケですが、Sキャラとの組合せの破壊力がなかなか高かっただけに、チカくんがそこまで到達できるか注目したいところ。


 今のところは大きな波風も無く、割りと盤石な関係の中で物語が進むので、タイトルで例えると「カスタード」の風味が強いですかね。甘々というわけではないですが、結局仲いいじゃないですかー(ニヤニヤ)みたいな。これから物語が進むに連れて「スパイス」の要素が強くなってくると思われますが、辛味が強くなるほどに甘みも感じやすくなるわけで、これからもっと辛いのが来るのかと思うと期待感は高まります。個人的な所感としては、初速は「ココロボタン」や「夕暮れライト」ほど強くはないものの、しっかりと宇佐美真紀先生節を感じられる甘々な物語で、続きが楽しみという感じでしょうか。



【感想まとめ】
とても甘くて優しい世界が広がっている、安心して楽しめるラブコメ。甘い気持ちになりたい時に、うってつけです。



作品DATA
■著者:宇佐美真紀
■出版社:小学館
■レーベル:フラワーコミックス
■掲載誌:ベツコミ
■既刊1巻



ためし読み