■5巻発売しました。
「理久に恋してる」……自分の気持に気づいた天。そんな天を好きな千秋。そして、天を好きだけど踏み出せない理久。それぞれが思いを抱えて……。ひとつ屋根の下、気持ちが動き出す第5巻!




完全に裏目感のある千秋の猛チャージ

 5巻発売しました。4巻ラストで天が理久への恋心を自覚するというまさかの展開。5巻ではどうなることやらと期待していたのですが、この二人の関係は期待ほど進展せず。むしろこの巻では、千秋にスポットが当たることになりました。


 理久と千秋が天を取り合うという構図になったわけですが、双方の想いを明らかにしたこと、また天の理久への好意を目の当たりにしたことにより、千秋は焦りから猛チャージをかけるようになります。バイト先に迎えに行ったり、遠足で二人きりになったり、更には抱きしめたりと、ある種自由に好き放題やらかす千秋さんに思わず天も困惑。私も困惑。相田みつをの言葉を引用していた彼は一体どこへ行ってしまったのか……


 ヒロインの恋心が自覚的=確定的になってから、あれやこれやと奮闘する姿というのは、まさに噛ませ犬というキャラクターの行動パターンなのですが、千秋もその道を辿るのでしょうか。最序盤はむしろ淡いながらも天からの好意を向けられていたことから考えると、「どうしてこうなった」という感じがしなくもありません。なんていうか、当人が頑張っているのは分かるのですが、どうにも裏目裏目に出ている気がしてならないんですよね。5巻を振り返ってみて、彼の行動がプラスに働いたシーンがこれと言って無く、むしろ天の理久への想いをよりハッキリとしたものにさせているような気さえします。





元々彼はどこか浮世離れしていて、無自覚かつ自然体なところが魅力だったわけですけれども、ここにきて恋心を「自覚」してしまった。それゆえの不自由さがひしひしと感じられてちょっとかわいそうなんですよねぇ。下宿生活によって人も成長し変わるわけですけれど、変化したばかりの状況では余裕などあるはずもなく。彼自身「余裕が無い」と発言していますが、天のことを気にかける余裕も無いわけで(あるいは自覚的にそう行動している)。どうにも独りよがりに映ってしまいます。さて、一通りの攻勢を終えた5巻。6巻ではどのように行動に出るのか、要注目です。

ホモ臭い時間が……

 5巻では理久と千秋が一緒にお出かけをするという謎のエピソードが挟み込まれました。ただただ二人で買い物するという、ややホモ臭い時間だったのですが、意外と面白かった。理久がお兄ちゃんで、千秋が弟って感じですかね。奔放な千秋に文句をいいつつもちゃんと付き合って面倒見ちゃうあたり、あれ、むしろこの二人が付き合っちゃえばいいんじゃないか?





千秋の人付き合いの下手さだったり、わがままっぷりだったりと、理久がフォローしてあげるという構図、良いじゃないですか。理久がただただ大変なだけですけれど(笑)

個人的には理久に頑張って欲しい

 序盤の噛ませ犬っぽいところから、私は断然理久派であり、これからも理久を応援し続けると思うのですが、6巻ではもうちょっとニヤニヤ出来る展開が出てくると嬉しいですねぇ。



通常、少女マンガに限らず多くの恋愛物語においては、物理的に近くにいる存在が断然有利という傾向があり、天と同じ学校に通う千秋に対して、理久はハンデを抱えています。けれどもそのハンデは、下宿が一緒であるため、頑張れば挽回可能でるというところが、この作品の良いところ。


千秋のアタックを、このまま黙ってみていることはないであろう理久の、6巻での奮闘を期待したいです。