■女性コミック誌の編集者・結芽は、実は恋愛経験ゼロ。理詰めでラブストーリーに取り組むも、ヒットを連発するイケメン敏腕編集者・成川に圧倒的な力の差を見せつけられてしまう。打ちのめされた結芽に、モテ男の成川が提案したのは……?





 割とめぼしい新作はコミスぺのレビューの方で取り上げてしまうんですが、そういうのもブログ更新が停滞する原因になってたりするんでしょうね。いけないいけない。というわけで久々の更新ですが、一井かずみ先生の『私が恋などしなくても』のご紹介です。


 仕事に悩む恋愛未経験女子と、敏腕イケメン編集者との恋を描いたお話。物語の主人公は、女性コミック誌で編集の仕事をしている結芽・25歳。文芸志望で入社したものの、配属された先は女性コミックの部門。自身の恋愛経験もない中、理詰めで苦闘しつつ、なんとか食らいついています。そんなある日飛び込んできたのは、とある担当漫画家の編集交代。後任となるのは、2歳年上でエース編集者の成川(しかもイケメン)。漫画家さんと親密な雰囲気になり、言い寄られる姿を目撃されることもしばしばな彼ですが、その腕は確かで、担当した漫画家は軒並み売れっ子になっています。交代後早々に、担当していた漫画家の変化を目の当たりにして、打ちのめされていた結芽に、成川はまさかの「俺と付き合ってみない?」と提案をしてくるのでした……





成川の狙いは、もちろん結芽が気になっていたというのもあるのですが、漫画家に言い寄られることが多いため、同僚と付き合っていると掲げることで、虫よけ的効果も期待してのこと。一方の結芽は、恋愛を経験してみること、そして成川の近くで過ごすことで、少しでも仕事にプラスになることがあるのではと、その提案を呑むことにするのでした。




 わかりやすい「恋も仕事も」的作品。色々とコンプレックスや悩みを抱えながらも一生懸命頑張るヒロインに対して、何事もスマートにこなす年上彼氏に、周囲を囲むのはやっかむ女子だったり、イケイケな漫画家だったり、こう、ぼんやりとした言葉を使って表現するならば、まとう空気がエネルギッシュ。


 なんていうか、仕事ができる奴ら特有の「わかってる感」とか、時に下ネタ挟みつつテンポよく軽快に掛け合う感じとか、平成初期のドラマっぽい雰囲気なんですよね。それこそ突然山口智子が出てきても違和感がない。この辺は好き嫌い出そうな感じありますが、圧倒的にこなれているんですよね。細かいところとかかなりラフに絵が描かれていたりするんですけど、手に取るようにキャラの動きが伝わるので、全然気にならないんですよ。この辺はさすがだなぁ、と。



こういうスキンシップはちょこちょこと。成川がかなり飄々とした性格なので、なかなかつかみどころが無いというか、相手のペースになってしまいがちというか……。




 はじまりがはじまりだけに、形式ばかりの恋愛で、気持ちがついていかない状況ではあったのですが、仕事ができる男は素敵ですし、実際成川はどんなにハードに仕事をしても気づかいもできるハイスペック君。不意に大胆なスキンシップもしてきたりと、憧れや安らぎ、そしてドキドキといったポジティブな感情がせわしなく出入りして、徐々に彼に惹かれていくようになります。ポイントは、恋も仕事も彼に遅れをとっている感があるので、どのように成功体験を経て、彼と同じ目線に立てるか…といったところでしょうか。仕事から攻めてもいいし、仕事終わりに恋人の立場から攻めてもいいしと、イベントに至るフックポイントは多数ありそうで、今後の展開もすでになんとなく大丈夫だろうな、と思わせるほどに安定感があります。さすがにうまい。オススメです。





【感想まとめ】
ちょっと前に読んだんですが、結構内容忘れていました。すんなり読めて、すっと抜けていく。とにかく読みやすいです。



作品DATA
■著者:一井かずみ
■出版社:小学館
■レーベル:フラワーコミックス
■掲載誌:プチコミ
■既刊1巻



ためし読み