■12巻発売、完結しました。
お礼にと招待された温泉旅行の夜、理久に別室に呼び出された天はそこで……。天と理久も、千秋も、鈴も、白岡と蘭も!?それぞれが思い描く道を歩みだす最終巻。





 

蛇足感は否めないが

 12巻にて完結しました。ここ数巻は恋愛ものというよりは、兄弟関係の再構築みたいなところに重点が置かれていて、やや退屈だったんですけれども、それも前巻で寛解しており、12巻は「何のためにやるんだろ?」って疑問があったんですよね。で、いざ読んでみても、後片付けをキレイに……といった感じの内容で、これといった進展は無かったかな、という感触です。別に無くても良いけれど、これがあった方が美しく締まるし、RPGで世界を救ったあとに、村人のセリフを見て楽しむのが好きな人とかにはいい感じなのかな、と。いや、決して否定というわけではなく、というかそもそもこれといった進展も無いので否定のしようがないよねっていう。



出来上がりすぎていた天と理久

 こんな展開になったのは、天と理久の関係が盤石すぎたってのがあるかな、と。相手役を取り巻く色々なしがらみが、素直で明るいヒロインとの恋路を邪魔するというのは、長期連載に於いては必須ともなる展開であるのですが、今回噴出した兄弟問題と実の母問題は、いずれも天との恋路を決定的に邪魔するに至らなかったという印象なんですよね。普通の物語だったらそれになりうるインパクトのある出来事も、この2人の前では2人で乗り切るための餌にしかならなかった。


 あとは千秋か。最初は千秋あるかってぐらい素敵に描かれていたのですが、いつのまにやらネタ要員となり、ライバルとしては取るに足らないレベルに。それだけでも消化不良なのに、先述の家族問題では天と一緒に飛び出してきて、場を乱すっていう。ここで天ひとりだったらまた違ったのかもしれないのですが、なぜかそこには千秋の姿が。ライバルになれないだけじゃなくて、場を乱すって、もうこいつなんなんだってくらい愛すべきキャラですよね。





なので後半は兄弟喧嘩フェーズであり、千秋も交えつつニアホモっぽい雰囲気を楽しんでおりました。今回もこんなシーンあったけど、これもう家族っていうより彼女じゃん。。。




番外編も、もう文句のつけようがないぐらいに惚気けまくりの幸せカップルって感じで、リア充指数高すぎて失明しそうでした。





このシーンとかもう、構図だけでジタバタできるぐらいには破壊力高いですよね。




 早々に将来の約束しちゃうところとか、どれぐらい好きかを言い合っちゃうところとか、幼さを垣間見せつつも、絶対に自分たちは大丈夫という根拠のない自信と自己肯定感に満たされてる感じ、完璧ですよ、完璧。あー、こんな大学生活送りたかった……。

千秋が怖すぎる件

 なんかもう完全にネタキャラって感じで千秋を温かく見守っていたわけですが、番外編でとんでもないのぶっこんできましたよ。いや、たぶん何かしらフォローあるんだろうなって思っていたんですけど、よりによってこの人…





蛍に恋




 いや、うん、わかるよ、人物配置的にはなかなかしっくりくるチョイスだと思います。いやしかしだね、よりによって理久のお姉さんって。これ、千秋が理久に本編で異様に執着してたのって、本人というより、なんかこの家系とかそういうのに惹かれてるんじゃっていう、急にホラーめいたものを感じちゃうんですよね。もしくは蛍は理久の代わりなんじゃないかとか。その怖さに拍車をかけているのが、蛍がなかなかなびかない難攻不落の女性であるというところ。それでもめげることなく、長い年月をかけてアタックし続けるってのは、理久に対するしつこさと一緒で、まじで怖い。理久も受け入れてる感じありましたが、怖くないのか。


最後の最後までネタを提供してくれた千秋には本当に感謝しかありません。1巻の姿から、12巻のここまでの姿を想像できた人は果たしてどれだけいたでしょうか。本当にありがとう。