どうも、ご無沙汰しております。コロナショックによる下げで久々にBTCのロスカット食らいました、いづきです。毎年年始にアップしているランキング記事ですが、どうにもやる気が出ずにこんな時期になってしまいました。年度末ということで、丁度よいかな、と。実は順位自体は年始に組んでいたのですが、それを補強する文章を書く時間……というか、やる気が出ず、こんなタイミングとなってしまいました。もはや待っている人もいないと思いますが、なかなかコロナで外出もできないかと思いますので、家でマンガでも読むか……と思い立った時にでも参考にしていただければ幸いです。例年通り、完結作編と継続作編の2編にわたってお届けします。まずは完結作編ということで、どうぞ……




1.ねむようこ『ボンクラボンボンハウス』(全4巻)

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ねむようこ×DIY。先のことを考えない底の浅い女子大生が、考えなしに大学を退学し、親から貰った100万円を元手に、空き家となった祖母の家を改装し、住み始めるというところから始まるラブストーリー。DIYと言いつつ、全然yourselfじゃなくて、男の子に手伝ってもらいますから、そりゃあ恋も生まれます。原点回帰というか、若い女の子がピンチに陥りつつも心のままに恋する様子を楽しめる本作、ねむようこ作品としては久々ホームランだったなぁという感じで、楽しませてもらいました。

ボンクラ娘のDIYライフと恋 -ねむようこ「ボンクラボンボンハウス」
【日替わりレビュー:金曜日】『ボンクラボンボンハウス』ねむようこ(コミスぺ!)



2.咲坂伊緒『思い、思われ、ふり、ふられ』(全12巻)

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『アオハライド』のモヤモヤを、しっかり断ち切り完結してくれました。終盤については家族問題がメインとなり、どこか重苦しさを感じさせつつ、青春の恋愛的な軽やかさや高揚感はやや影をひそめる形となりましたが、終わりよければ全てよし。こういうヒューマンドラマっぽさを交えるのもまた、別冊マーガレット的であり、キャラクターの成長が確かに見えた物語でした。咲坂伊緒作品をオススメするなら、まずは『ストロボエッジ』、次にこれを薦めると思います。

女子ふたり、恋ふたつ。 -咲坂伊緒「思い、思われ、ふり、ふられ」1巻
恋がもたらした変化とご褒美の”照れ” -咲坂伊緒「思い、思われ、ふり、ふられ」3巻
恋心募り、想い溢れる。 -咲坂伊緒「思い、思われ、ふり、ふられ」5巻
これは壮大な前振りなんじゃないかと勘ぐった話 -咲坂伊緒「思い、思われ、ふり、ふられ」8巻



3.草川為『世界で一番悪い魔女』(全7巻)

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草川為作品と言えば、息の合った男女凸凹コンビですが、本作でもまた素晴らしいデュオを見せてくれました。ファンタジーベースになるので、恋愛的な要素が出てくるのは物語が進んでからなのですが、カップルである前にまず、お仕事的な名コンビであるので、飽きることなく読み進めることができる。お仕事を通して関係が強化されていくので、恋愛に発展するのも納得感があるんですよね。変人な教授が不意に見せる好意と、それにワタワタするクインタの姿が可愛かった。あと何気に、ジュードとパメラの関係性も、こう色々と匂わすものがあって魅力的に映るんですよね。分かる人いませんかね。

交じり合う偽りと欲深さと、好奇心。 -草川為「世界で一番悪い魔女」



4.芥文絵『セキララにキス』(全9巻)

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巷では『ブルーピリオド』がマンガ大賞を取って話題になっていますが、同じく美術予備校を舞台にした本作もまた、良い作品です。周りの顔色ばかりうかがって、自分の気持ちを隠してしまうヒロインが、とあるイケメン美術予備校生と出会うことで、自らも美術の世界へと足を踏み入れ、絵を通して自分を変えていくというラブストーリー。『ブルーピリオド』読んでると、恋なんかしてる暇ねーよって感じもあるのですが、こっちは恋をしたからこそ得られたものがあるって感じでで、実に少女漫画的。芥文絵先生の絵柄も相まって、キラッキラの予備校生活が描かれます。タイトルを意識してか、作中でキス頻発。読んでいて、「あー、こんな学生生活送ってみたかったよまったく、うらやましい。」を何度言ったことか。

ほぼ完璧なラストだったんじゃないでしょうか -芥文絵『セキララにキス』9巻
美術予備校の青春ラブ・グラフィティ -芥文絵「セキララにキス」



5.将良『思春期ビターチェンジ』(全9巻)

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入れ替わりものの名作も完結を迎えました。入れ替わった状態で、小学生から高校まで……思春期の全てを過ごすという、なかなか見ないほど長期戦の入れ替わり。紆余曲折あって、二人が選び取った未来は、個人的にはかなり意外なものではあったのですが、非常に納得感のあるラストで、とても良かったです(乏しい語彙)。設定のキャッチ―さに、展開の面白さなど、どこをとっても面白いのですが、未だにアニメ化ドラマ化されていないのは何故。個人的には、ぜひともメディアミックスしてほしい作品の筆頭です。

ふたりで選んだ思春期の結末 -将良『思春期ビターチェンジ』9巻
苦味成分強めな入替わり6年め -将良「思春期ビターチェンジ」4巻 



6.志村貴子『こいいじ』(全10巻)

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銭湯の娘さんが、子供のころから20年以上も幼なじみに片想いをしているという、とんでもなく片想いをこじらせた様子を描いた本作。志村貴子作品ってだけで、読む前の期待感から、おのずとハードルも上がるじゃないですか。でもそれをキッチリ超えてくるから恐ろしい。本作も20年の片想いってことで、描き方ひとつではとんでもなく重くて気持ち悪いお話になってしまう可能性をはらんでいるわけですよ。でも志村先生の手にかかれば、重さはあるけれど、純粋さや一途さが強調されて、全然読めちゃうからすごい。純粋さと、大人ゆえの打算との間で揺れる酸っぱ苦い恋模様を堪能してください。




7.河井英槻『はるはなのみの』(全3巻)

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一昨年の継続作編でも上位に推して、直近の『このマンガがすごい!』でも票を投じたんですよね、これに。じゃあもっと上にしろよって話なんですが、いやなんていうか物語としてのデキは正直微妙なんですよ。粗いっつーか、適当っつーか。でもキャラクターとか、醸す雰囲気が死ぬほど好みなんですよね。3巻とか、特にその辺の良くない部分が良く見えたんですけれど、それでもなお好きだし、たぶん定期的に読み返します。20代そこそこの男女が好き嫌いやってる様子がこの上なく愛おしい。皆さんにも、そういう作品の一つや二つ、あるでしょう?

大人になって再び吹いたあの日の初恋の風 -河井英槻「はるはなのみの」



8.森下suu『ショートケーキケーキ』(全12巻)

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同居ものとか、シェアハウスものが全盛だった頃に華麗に登場して、人気を博した本作も12巻で完結しました。序盤はかなり気持ちも盛り上がってたんですよ。実際、継続作編では何度か上位に推していたので。でも後半になると、相手役候補のひとりが、心の読めない文学青年から、男友達に異様に執着するプチストーカーに変貌したり、なんかラブストーリーのはずなのにずっと兄弟げんかしてたりと、「え、なにこれ?」感が先行。キャラクター達のバックグラウンドを含めて、あるべきところに落として完結させるには必要な過程だったと思うのですが、正直蛇足感あったかなぁ。とはいえTotalで見た時にはやっぱり面白かったなぁ、と。

最後まで千秋がすごかった -森下suu『ショートケーキケーキ』12巻
ひとつひとつ階段を確認しながら登るように -森下suu「ショートケーキケーキ」7巻
理久の立ち回りの良さに付け入る隙が無い -森下suu「ショートケーキケーキ」6巻
自由な千秋の抱える不自由さ -森下suu「ショートケーキケーキ」5巻
下宿先で出会う男子たちはくせ者揃い!? -森下suu「ショートケーキケーキ」1巻



9.やまもり三香『椿町ロンリープラネット』(全14巻)

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こちらも完結しました。巻数は『ひるなかの流星』を超え、やまもり先生の代表作となったのではないでしょうか。映画化もされるんでしょうね、きっと。個人的には『ひるなかの流星』ほどのトキメキはなかったのですが、それもヒーローヒロインともに妙に落ち着いた性格というのが理由かもしれません。色々な出来事はあれど、かなり安定した二人だったので、終始安心して見ていられましたよね。たぶんこのまま上手いことお年寄りになるまで一緒なんだろうな、というのが容易に想像できます。

同居生活はじめます! -やまもり三香「椿町ロンリープラネット」
 


10.アキヤマ香『長閑の庭』(全7巻)

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還暦を過ぎた大学教授に、恋愛に無縁であった院生の女子が恋してしまうという、枯れセン年の差ラブストーリー。こちらはNHKでドラマ化されていましたが、なんていうか全体的に地味ですよね。こう、恋であることを論理的に捉えようとするなど、大学の研究者っぽいアプローチとか、単純な「年の差の恋」以上の面白さがあるんですが、あんまり話題にならなかったなぁ、と。結末も何気に衝撃というか、穏やかながらも相応にインパクトがあって、物語としての起伏もしっかりあったな、と思います。もし未チェックの方がいれば、是非とも覗いてみてください。




以上、10作品でした。他にも何作品か候補にはしていたのですが、10作品はそこまで迷わなかったです。思い返せばそこそこの長期連載作が完結を迎えており、またこの作者さん達の新作が読めると思うと楽しみでなりません。森下suu先生の『ゆびさきと恋々』なんか、意欲作で期待大です。

では、こちらに続いて継続作編をアップ予定ですので、そちらもお楽しみに。